劇場型飛空挺プリマビスタ
クガネの港から海を眺めると海の上空に浮かぶ飛空艇が見える。ガレマール帝国籍の劇場型飛空艇「プリマビスタ」だ。プリマビスタはジェノミス・レクセンテールが主宰を務める劇団マジェスティックが所有する劇場型飛空艇で劇場施設と居住施設を併せ持ち、初代皇帝ソル・ゾス・ガルヴァス時代にはガレマール帝国が領有する地域であればどこへでも自由に航行することが許されていた。
https://gyazo.com/037ec446af3af853ce8caed89f63d7eb
何故、一劇団がこれほどの飛空艇を所有し、権利を与えられているのかというと、劇団「マジェスティック」の演劇「ゾディアックブレイブストーリー」を観劇した初代皇帝ソル・ゾス・ガルヴァスは、古くよりガレアン族に伝わる「イヴァリース伝説」を題材としたこの作品を称賛、才を認めた。文化の育成にも力を入れていた皇帝ソル・ゾス・ガルヴァスは劇団マジェスティックの保護を約束し、帝国領土内の自由な航行許可と劇場艇プリマビスタを建造し劇団マジェスティックに下賜した。
だが、初代皇帝亡きあと、現皇帝ヴァリス・ゾス・ガルヴァスの治世となった今は、文化に対する風当たりが強くなり、帝国内で巡業するには事前に戯曲の審査を受ける必要がある。少しでも、現政権を批判する台詞や内容があろうものなら、即刻牢獄行きという苛烈な処分が待ち受けている。そのため現在は公演を中止し、クガネの外洋上空に停泊している。