不浄の遺跡群
かつてクルザス地方には聖女シヴァの導きにより竜族と人が融和した時代が約300年あった。その時代の遺跡は竜族の終焉の地であり聖域でもある、霊峰ソーム・アルの麓、高地ドラヴァニアに多く残っている。だが、人と竜の融和した歴史を抹消し、何としてでも竜族を仇として1000年にわたる竜詩戦争を正当化したいイシュガルド正教教皇庁にとって「人と竜の融和した時代」を示すそれらの遺跡は都合の悪い遺物以外のなに物でもなかった。そこから正しい歴史が紐解かれれば、1000年にわたりイシュガルド国民を苦しめ、数えきれないほど多くの被害を出した竜詩戦争の原因が国王トールダンと十二騎士団による醜い野心を動機とした「竜族への裏切り」であることが明るみに出て、大義名分を失い、権威が失墜してしまう。
そこでイシュガルド正教教皇庁は1000年前にトールダンが神の導きにより民を率いてクルザスに移民したと建国神話を捏造し、それ以前の歴史はイシュガルド史から抹消した上で「人と竜の共存の時代」を異端者による「不浄な時代」、つまりイシュガルドとは無縁の異教徒による不浄な時代と定義した。そのことにより不浄な時代の遺跡は漏れなく「不浄なもの」として取り扱われることになった。
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例えば、高地ドラヴァニア、アヴァロニア・フォールンにそびえる大きな塔。はるか昔にイシュガルド正教から見て異教徒とされる竜族に加担する者、または竜族を信仰する魔女たち不浄な者が建てた塔だとして「不浄の三塔」と呼ばれるようになった。また人々が竜族とともに暮らしていた集落の跡地は、竜族に加担ないし竜族を信仰する異教徒たちが築き暮らしていたが不浄故にハルオーネの神罰により滅びたのだと嘯き「不浄の集落」と呼んだ。
その他、「不浄」とまでは呼ばれていないが竜と共に立つ女性像、恐らく融和の導き手である聖女シヴァと思われるその女性像が破壊されている「光輪の祭壇」や「悲嘆お飛泉」、「メアズオウス遺跡」など歴史的に価値がある遺跡が数多く不浄な遺物として管理されることなく放置され朽ち果てている。
歴史や史跡の旅~Chronicle Encyclopaedia~