万魔殿パンデモニウ厶
Pandæmonium
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かつてシャーレアン人は低地ドラヴァニアに築いた「逆さの塔」により星海を観測していた。その観測により星の意志ハイデリンと邂逅、終末の存在を知るなど得るものも多かったのだという。だがシャーレアン人が観測していたのは星海の深さに比べれば表層も表層。海に例えるなら波打ち際程度の範囲でしかない。
ガレマール帝国の進撃が噂されシャーレアン人には大整理が宣言された頃、ひとつの不可思議な「結晶」が、星海の底より浮かび上がってきたのだという。その結晶のエーテル密度は通常のクリスタルの数倍。人工的に成形された形状をしており、とても自然に生成された物とは思えない代物だった。だが直後にガレマール帝国の侵攻が本格化、大撤収により研究の場はラヴィリンソスに移されることとなり、アイティオン星晶鏡が建設され星海の観測と同時に不思議な結晶の分析も続行されるものと思われた。しかし、星外への脱出計画が優先されたため、結晶の調査は棚上げとなってしまっていた。
世界の終末は無事回避され、不思議な結晶は再分析される事となったのだが、その分析に協力した冒険者は結晶より発せられる「パンデモニウムに危険が迫っている」という警告を受け取り、導かれるがままエルピスの直下に存在するという万魔殿パンデモニウムへと向かった。パンデモニウムはラハブレア院により管理されている施設であり、そこで働く者は「極卒」と呼ばれるほど厳重な管理体制が敷かれている。
何故ならばその内部には、世界へ解き放つべきではないと判断された、危険な創造生物が収容されているためだ。本来、世界にとって危険である創造生物は直ちに処分されるのがルールだが、まだ研究価値があると判断された創造生物に限り、パンデモニウムに収容し更なる研究が行われているのだという。
当然、そうした創造生物を外部へ逃がすわけにはいかないためこの施設の職員は研究員ではなく、創造生物を施設内に縛り付け厳重に監視を行う、いわば番人たる「獄卒」の役割を負っているのだ。
更にパンデモニウム各層には「獄卒長」と呼ばれる管理責任者が置かれ施設を厳格に取り仕切っているのだが、その極卒長らと連絡が取れなくなってしまったのだという。前代未聞の出来事に後のエリディブスであるハブレアの息子テミスに協力を要請され「万魔殿」へと足を踏み入れる事になる…。