ワンダラーパレス
高地ラノシアにある古代ニーム時代の遺跡で、元々はニームで信仰が厚かった旅神オシュオン(ワンダラー)の大神殿である。古代都市ニームはその海兵力で魔大戦を凌いだ小国だが、その末期に1隻の交易船がニームに奇病を持ちこみ、国中にその奇病が蔓延したという。
その奇病は感染力が非常に強く、感染すると発熱と嘔吐を繰り返し、数日のうちに毛髪は一本残らず抜け落ちる。さらに全身から皺という皴がなくなるほどの激しい浮腫みを引き起こし、同時に四肢が縮始める。目は黄色く濁り、耳や鼻が壊死して削げ落ちてしまい、その姿はまるでトンベリのようだったという。致死率は3~4割だったと言われているが、症状がおさまっても変わり果てたその姿は元には戻る事はなかったと伝えられている。醜い姿となるこの奇病の患者はその姿から家族や友人を問わず魔物や悪鬼と罵られ激しい差別を受けたと記録されている。そしてもはや人として見做されなくなってしまった患者たちをさらに悲惨な運命が襲う。蔓延する奇病に万策尽きたニームは隔離施設として使用していた旅神の神殿の出入口を塞ぎ、湖に大量の水を引き込み神殿ごと湖底に沈め、ご丁寧に封印魔法まで施したのだという。
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それから1500年が経ち、第七霊災と蛮神タイタンの起こした大地震によりブロンズレイクを支えていた地盤が歪み、湖の水は鉄砲水となって流れ出た。そして水深の浅くなったブロンズレイクの真ん中にニームの忌まわしき遺物「ワンダラーパレス」が姿を現すこととなった。
歴史や史跡の旅~Chronicle Encyclopaedia~