仁王
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2017年2月9日発売のKOEI開発・販売のアクションRPG 約70時間プレイ、レベル100、近江編クリア時点で色々と考えてる
PvPは興味ないのでPvE視点。また、オンラインも興味ないのでオフラインソロ縛り
ダクソ3プレイ時と同様、例によって近接オンリー。とはいえ遠距離武器をメインに据えられる感じのゲームでもないので、ユーティリティとしては普通に色々使っているが、忍と呪は一桁で止めている DLCは多分入ってない
所感
このゲームはいわゆるソウルズゲーではない
戦国ダークソウルみたいな触れ込みがそこかしこで見られるけど、ミスリーディング。たしかにソウルズっぽく遊ぶこともできるんだけど、実際はレベル・装備・スキル(特に装備)が重要なRPGで、しかもトレハン方式はDiabloに近いハクスラ
ソウルズも装備は重要だけど、少なくとも一周目は好きなのをレベルなりに強化していればあとはアクションなので、比重は仁王に比べると低い
クリア後に動画など見て少し情報収集したが、遅鈍符や目潰しがボスにも効くし、効果時間が結構長いという、事実上の救済策が存在しているらしい。これを使わないと最初から最後までずっと難しい
それ以外にもself buffなどを山盛りしてDPSを最大化するのが周回・高難度での必須要件なので、術縛りはかなり条件として厳しそう
ソウルズっぽく死に覚えするアクションゲームとして遊んでしまうと(もちろん死に覚えはある程度必要ではある)、ロスト確率が増えるのも相まって、中盤に入ったあたりで自分のレベルがミッションの推奨レベルに対してどんどん立ち遅れていく
そうすると、Trash/ボスとの戦闘時間がどんどん伸びていき、だれる。後述するがこのゲームはマップデザインにおいて重大なミスをしているため、戦闘時間の増加は致命的
敵の攻撃が痛い、というのはここでは問題にはならない。それに関してはソウルズとそれほど変わらない
対複数戦を強要されるケースが多い、強モブの配置に節操がないなど、やはりマップデザインとしての問題に帰着する
結果、終盤~周回に進むにつれて、いわゆる「猫スッパ」(猫歩きと素っ破の両術でステルスして走り抜ける)スタイルがマップ踏破の常道になってしまう。術縛りだとここでも不利
よほどゲームデザインで正当化されていない限り、わざわざ本筋を外れてのレベラゲはしたくないというのは大前提。アクションを頑張った結果低レベルで突破してしまった人が、終盤でさらに苦しむ、というのはプレイヤーの努力に対する報酬設計として間違っていると感じる
操作難度の割にゲインの少ない、いわゆる死にスキル(武技)が多い
ダクソ3でもあったが、あえてフィーチャーするのでなければ使わなくていい。コンボの中で自然に出せるやつは狙うくらい 全体的に敵モーションが発生早め、スパアマ多め(特にボス)、スタミナが明示的に切れない限り怯みなし(特にボスと妖怪)、となっているため、とにかく回避主体の動き(回避&チクチク)に帰着する
そうなると動きが派手でスキの大きい(回避機能・無敵時間のついていない)武技は事前に計画しないと運用不可。誤爆防止に外すまである
カットイン付き武技など、そこそこかっこいいのだが、一方で一般的なモーションがどうも重量感に欠ける軽薄な感じ。このあたりは主観であるものの、実際のプレイフィールに影響がでかい
特に死ぬときのワタワタしたモーションがダサすぎてイライラ
ステップの無敵時間がかなり短く設定されているため、回避しながら白兵戦距離でやり合う近接スタイルの難易度はダクソ3より高い 上段に構えれば少し無敵時間の長いローリングになるが、発生も若干遅く、モーションの全体時間(入力不可時間)も長く、上段攻撃の発生が遅いのも相まってリスクが生じるため、上位互換というわけではない
無敵時間の短さは、至近距離でのステップ主体の戦闘においてミス=即死を意味するためリスクを大きくする。パターンの少ない敵ならまだしも、パターンの多いボスでは必然的に距離を取る形での回避が主体にならざるを得ない。徹底的に、こちらが先手を取ることができない戦闘デザインになっている。非常にストレスフルで爽快感に乏しい
ガードは比較的強い。というか、コンボ(チェイン)に捕まったらステップ回避不能になる仕様なので、一旦ガードで凌いでから抜ける動きを身に着けないとまともに戦闘できない
ガードから派生できる技やジャスガ派生技もあるが、敵のスタミナを削る効果はないか、あっても弱いので致命(組み討ち)に直接つながらず、ステップでかわして回り込んで数発殴るのとそれほど変わらない効果になってしまう
そのジャスガ派生技も、逆波+山風など、やってみるとわかるが入力時間がSEKIROの弾きと比べてもシビアすぎるのでよほど練習しないと成立しない。にもかかわらずスタミナ削りが特段強いというわけでもないので狙うだけ徒労だったりする あとから調べたところ、左スティックニュートラルじゃないと入らないとか、山風まで行けば人型は押し倒せるので致命につながるなど、一応ポイントを抑えてちゃんと練習すれば実用できる模様
武器種が多いので、自分が好きな武器だけを伸ばすというよりは、敵への相性に合わせて頻繁に切り替えるほうがいいようだ
が、個人的にトンファー、槍、鎖鎌はカッコよく思えないので使いたくなく、刀と大太刀だけで最後まで行った
刀は結構安定の選択らしいのだが(報酬にも多いし)、レンジが短いので懐の深いボス相手には圧倒的に不利で、終盤はほとんど大太刀しか使わなかった
特に回避&チクチクでやるなら短レンジ武器は使う理由に乏しい
逆に、中長距離で構えていると回避の面倒な咎め技を使ってくるボスは、ステップのタイミングを練習して至近距離殴り合いのほうが良かったりする。その場合刀が強い
典型的なのは雪女(帰蝶)。範囲攻撃にステップを合わせるタイミングを練習すれば最初から最後まで顔面できるので楽しい
独自要素の残心システムは、慣れてくるとリズム出て悪くない
が、上述の敵傾向のせいで、フル残心を取ろうと粘ると回避が間に合わないという二律背反になるため(特にボス戦)、フル残心周りに絡んでいる武技なども必然的に使いづらいものになってしまう
残心はあくまでこちらの回転率を上げるシステムで、相手のスタミナ(のようなもの)を直接削るシステムではないというのもSEKIROとの対比なのだが・・・要因はそれだけではないにしろ、これほどまでに爽快感・戦闘体験に差が出てしまうというのは驚き スタミナを上げて関連アイテムを集めていけば、ずっと殴り続けられるレベルの回転率が達成できるっぽいのだが、個人的にそこまで続けることはなさそう
というか武技の名のもとに基本的なアクションがスキルツリーでゲーティングされてるのが正直気に入らない
SEKIROもパッシブ技がいくつもツリーにあるが、本当に必要で、新規のアクションを導入するものは(最初に取れる)見切りくらいで、あとはオプショナルだ マップデザインがゴミ
ダクソシリーズのマップの悪いところを参考にしてしまったような、死角待ち伏せ、アイテムブービートラップ、落とし穴などがこれでもかと濫用される
その上、屋内・洞窟内や集落内など、狭めのマップが結構多いのでスルーもしづらい
極めつけは中国編・厳島神社マップのような落下・落水をギミックとしているマップ
そういういやらしいエリアが2,3あるだけ、あるいは忘れた頃にちょっと刺してくるくらいの頻度ならスパイスとしてよいのだが、序盤からずっとこの調子の不快なマップが最後まで続く
しかも風景が多少変わるだけで、エッセンスとしては最後まで何も変わらない、ただただ嫌がらせの繰り返し(例外は独自ギミックの多い忍者屋敷くらいか)。慣れてくると「どうせここにいるんだろ」とある程度予想できるようになってしまうまである
予想できるならいいじゃん、と思うかもしれないが、予想はできても対処しなければならないことに変わりはないのでテンポは悪いまま。走り抜けられるマップはまだいいが、敵を倒さないとショトカを開けられないマップなどもある
輪入道や鬼火など、強くはないけどひたすらうっとおしく、しかも濫用されるTrashなんかもいて、不快感を押し上げる
終盤のメインミッションは開けたマップも多く、ボス戦中心のデザインになっているのでそれなりに集中できるが、サブミッションは相変わらずのクソマップ、しかも使い回される
ボス戦の個性の乏しさ
妖怪タイプのボスは独自ギミックもあったりするが、(ガシャドクロ、ヤマタノオロチ)、人型タイプの敵は上述の戦闘システムのために、基本全て回避&チクチクを強いられる。得物は多少異なるがやることは同じ
九十九武器を使ってくるボスは、九十九中攻撃頻度が上がりスパアマまでの時間も短くなるので更に回避の比重が上がる
なにげに例外はお勝で、トリッキーな動きを見せてくるし、こちらからの攻撃でまあまあ怯むので、攻撃比重が上がる
ヤマトノオロチ後に開放されるエクストラミッションは単純に人型ボス二人組になるのでそりゃ難しいに決まってるだろ、という
また、ダクソやSEKIROでもたまにあるが、チャージ・ジャンプ・瞬間移動系の技を使ってくる敵がかなりいて、ロックオンしているとカメラが引きずられる。特にマップが戦いづらいボス戦の場合、カメラを引きずられて攻撃を食らったり不利な位置に押し込まれたりするパターンが頻発して、これもやはりボス自体の強さというより設計のまずさに感じる 特に二人組ボス戦で顕著
総評として、近接アクションゲームとしてみた場合の仁王は「難しさの表現をはき違えた不快な作業ゲー」にほかならない。このゲームを楽しめるかはハクスラとして楽しめるか、なんだと思う
とはいえハクスラとしては攻略部分の難易度が高すぎるので、どうもちぐはぐだ。アクション部分は(少なくともTrashに関しては)無双系っぽくサクサクすすめられたほうが良かったのでは?
正直Diabloも卒業気味だし、今どのようなハクスラが受けるのかはなんとも言えない
Steamレビューをざっと見た感じ、評価の高い人はプレイ時間数百時間であることが多く、ハクスラとしてハマってやりこんだことが伺える。逆に低評価をつけている人は自分と同じような感想を抱いたアクション派であることが多いようだった
動画見た感じ、オンラインにしておけば血刀塚経由で良いアイテムを手に入れられるので、まれびとを呼ばずとも攻略難易度を多少下げられる、というのもありそう