組織硬直化
組織目的を達成するため、新しい価値の提供をしたり、環境変化に対応したりする際に、組織のパフォーマンスが十分に発揮できない現象です。組織が機能不全に陥る、組織が形骸化するなどとも使われます。
行動が硬直化するだけにとどまらず、新しいことを行おうとすることや新しい情報を得ようとすることもしなくなる
組織硬直化の要因・原因
①労働者が流動しない
人が固定化していれば、その分、新たな刺激や考え方を受け入れる場面が少なくなります。昔に比べれば、会社間を移動する人も増えましたが、まだまだ少数派でしょう。
さらに、管理職以上のマネジメントに関係するポストのほとんどが内部昇進を原則にしている企業が多いことも大きく影響しています。成功体験が組織行動原則を形成する力がより強くなります。
②従業員を頑張らせる仕組みがある
企業内で労働者が流動しないと、企業内で業務遂行に対して強制力が強く働くようになります。従業員を頑張らせようとする仕組みもできてきます。組織構成員を頑張らせると、必ず何らかの結果を出さなくてはならないと考え、質の向上を図るアイデアが思い浮かばなかった場合、「質の向上」よりも「量の拡大」を指向する傾向が強くなるからです。
『頑張らせると、「質の向上」よりも「量の拡大」を指向する』
③「追いつけ追い越せ行動様式」が根付いている
日本の多くの企業に高度経済成長期の成功体験として、「追いつけ追い越せ行動様式」が根付いています。『日本の長期デフレの要因「追いつけ追い越せ行動様式」とは』 日本社会もその行動様式を良しとしています。これは厳密な意味において組織構造とは言えないかも知れません。この行動様式が強く根付いている企業ほど、特定の行動を繰り返し起こすようになり、結果的に硬直化が進展していきます。