SQ
EQとは「Emotional Intelligence=感情的知性、心の知能指数」のことで、個々の個人に頂点をあて、自分自身の感情を理解し、感情をコントロールする能力をいう。
SQとは「Social Intelligence=社会的知性」のことで人と人との心の結びつきに焦点をあて、人間同士の相互関係の中で社会的能力のことをいいます。
歴史
SQはもともとアメリカ・コロンビア大学で心理学、教育学の研究をしていたエドワード・ソーンダイクによって1920年に「人々を管理する能力」として定義づけられていました。
もともと「SQ」=社会的知性という言葉自体は、同じ米国の心理学者のエドワード・ソーンダイクによって1920年頃から使われ始めたもので、当初は「人々を理解し管理する能力であり、人間の世界でうまく生きていくために誰もが必要とするスキル」と定義されていました。 https://gyazo.com/6126443cd42b293b137f172062314fc0
エドワード・ソーンダイクさん
2007年に新しく提唱したのが「生き方の知能指数」
彼はベストセラーとなった著書「EQ・こころの知能指数(Emotional Intelligence)」(1998年刊)でEQという概念を世界的に広めた人物でもあります。
しかしソーンダイクの考え方には、他人を利用して自らの益を得る“人心操縦”の内容が認められたため、ゴールマンはこれを修正。「他者との関係において高い知性を発揮する能力」というふうに、SQを再定義したのです。
https://gyazo.com/21f1e518f4308b03a1f7c66f64ef0bb1
ダニエル・ゴールマンさん
そして、EQの考え方をさらに深め、脳科学の最新の研究も取り入れたものがSQ
「他者の感情や思惑について感じ取る能力があり、その他者の感情を理解した上でどのように行動すればよいかを認識できる能力」がSQであるといいます。
EQが人間の内面を理解する能力とすれば、SQはさらに他者との関係まで理解し行動できる能力です。
SQの能力
1)Daniel Golemanモデル
社会的認識の能力
相手の内面を即座に感知する能力。相手の感情や思考を理解する能力。複雑な社会状況を理解する能力
原始的共感能力
他人と一緒に感じる能力。非言語的な情動の手がかりを感知する能力
情動のチューニング
全面的に受容性をもって傾聴する能力。相手に波長を合わせる能力
共感的正確性
他人の思考、感情、意図を理解する能力
社会的認知力
社会がどのように動いているかを知る能力
社会的才覚(社交性の能力)
社会的認識の能力をもとに、円滑で有効な相互作用ができる能力
同調能力
非言語的なレベルで円滑に相互作用する能力。ジェスチャー、姿勢、アイコンタクト、声の調子、接触、テンポ。
自己表現力
自分を効果的に説明する能力
影響力
影響力をたくみに行使し、相手との関係を建設的に処理する能力
関心
他者のニーズを気を配り、それに応じて行動する能力
2)Karl Albrechtモデル(SPACE)
状況認識能力(Situational Awareness、相手や社会的状況を認識できる能力)
言語、非言語表現能力(Presence、言語、非言語レベルで円滑に相互作用できる能力)
信用性(Authenticity、正直、信頼、倫理)
自己表現力(Clarity、自分自身や考え、ビジョンを伝え、協力を得る能力)
共感(Empathy、他人の思考、感情、意図を理解し、同じ立場で、好意と協調ができる能力)
3)ユーモアと笑い能力
笑いとユーモアは社会的知性の能力。
笑いは、対人関係の潤滑油である。笑いが起きると快楽中枢である線状体の側座核などでドーパミンの放出が増えこの領域の活性が高まる。また前頭前野や共感性に関与がある背側前部帯状回の活性かも高まる。また情動の中枢の扁桃体も活性化する。
参考資料