超小型衛星ビジネス
重量1kg〜数十kgの超小型衛星が開発され、次々に打ち上げられています。高性能で多様な用途に利用される大型人工衛星に対し、超小型衛星は限定した用途に利用されます。
超小型衛星は開発・製造にかかるコストも小さく、開発期間も短くてすみます。また、打ち上げ費用も格安です。打ち上げる際には、他の人工衛星やISS(International Space Station、国際宇宙ステーション)に運ぶ積載物と一緒に、相乗りで宇宙まで運ばれるためです。
超小型衛星の中でも、最も小さな人工衛星が、CubeSat(以下、キューブサット)です。これは1辺10cmの正方形をしており、その中にレンズや測定器などの機器を詰めて完成させます。機器によりますが、重量は1〜2kgほどです。キューブサットを複数繋げた人工衛星を作ることも可能です。キューブサットはいわば、人工衛星の最小単位です。
キューブサットは世界中のさまざまな国、企業、大学が研究開発に取り組んでいます。この分野で世界をリードしているのが、九州工業大学にある「革新的宇宙利用実証ラボラトリー」です。
革新的宇宙利用実証ラボラトリーの目的は、超小型衛星を通じて、「宇宙の裾野」を拡大し、人類の宇宙活動の発展に貢献することにあると言います。そのために、以下の5項目を行っています。
1.情報・センサー・ネットワーク技術に根ざした宇宙利用技術のシーズを構築し、宇宙利用を行いたいという人たちと連携する。
2.新たな宇宙技術や宇宙利用のアイデアを実際の衛星を使って実証したいと思う人たちに、宇宙実証のためのプラットフォームを提供する。
3.超小型衛星をより安価で低価格に開発できるよう、特に試験・検証の分野での技術開発を行う。
4.自前の宇宙開発利用を行いたい途上国・新興国と連携し、水平型の国際協力により、国際共同ミッションを実施する。
5.国際的な競争力をもつ先進的な超小型衛星技術を自前でもち、学術論文の発信のために、超小型衛星による宇宙空間観測・月惑星探査などの先進的ミッションを行う。
<参考>