未来学/Future Studies
未来をさまざまな角度から研究・推論する学問の総称。1960年代後半に誕生し、1970年代に急速に発展した学問である。時あたかも先進工業諸国では、高度経済成長と技術革新のさなかにあり、狭義には国家的目標の合意形成、より広い意味では人類社会の目標達成のための新しい学問的手法として多くの人々の支持を得た。その背景には、工業化の進展に伴って古典的な経済学や社会学では説明しきれない社会様相の激変の問題がある。その点にいち早く注目したD・ベルの「脱工業化社会」論(『脱工業社会の到来』1973など)は日本やアメリカで情報化社会論の発展をもたらすきっかけともなった。
こうした変化の傾向を、旧来の経済原則に基づく外挿法(関数モデルの操作で演繹(えんえき)的に未来値を求める方法)的予測ではなく、より幅広い学際的視点からの未来洞察を試みようというものが未来学誕生の初めでもあった。
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