ヒューマンコンピュータインタラクション&コンピュータヒューマンインタラクション
一般的なコンピュータと人との関係性に注目してみる と,現在のコンピュータは,メールのチェックや文章の作成,ウェブブラウジングのような,コンピュータ内に存在する様々なタスクを,ディスプレイやキーボード・マウスといったレガシーなデバイスを用いてこなすのが主たる目的であり,操作の主体はあくまでも人間側にあります.これがいわゆるヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)であると言えるでしょう.
一方で,小型センサが容易にネットに繋がるようになるIoT技術の進展により,コンピュータがレガシーなデバイスだけではなく,この世界,さらには人を知るための感覚器を手に入れつつあります.また,AIや機械学習技術の進歩によって,センサで得られた情報を統合し,理解する環境が整ってきました.そして,視覚や聴覚だけではなく,触覚や嗅覚といった人間の五感を刺激するディスプレイ装置の登場により,コンピュータが人に寄り添い,人を支援することが可能になりつつあります.
つまり操作の主体が人からコンピュータに変わるパラダイムシフトが起こりつつあるのです.この操作の主体がコンピュータにあり,人の状態や状況を認識し,人を支援する技術をコンピュータヒューマンインタラクション(CHI)と呼びます.
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