インクルーシブデザイン
ユニバーサルデザインは80年代のアメリカで大量生産されたプロダクトの多くが障がい者に対する配慮がなされておらず、できるだけ多くの人が使えるようにデザインしようとしたものである。この考えを浸透させるためにユニバーサルデザインの7原則を制定したことは言うまでもなく有名な話である。
インクルーシブデザイン
一方、インクルーシブデザインは、イギリスを発祥とするもので、デザイン界や産業界に対し、これから増加が見込まれる高齢者のニーズや価値観の変化を深く捉える必要性を当時RCAの学長であったロジャー・コールマンと社会的歴史学者のピーター・ラスレットが示したものである。(アメリカで提唱された概念をそのまま鵜呑みにしないところがイギリスらしい。)
彼らはユニバーサルデザインの原則に沿うだけでは高齢者が抱える真なる問題が見過ごされてしまうことを懸念し、個々の高齢者に寄り添い、彼らのニーズや価値観を深く理解したうえでデザインすべきと考え、デザインプロセスに可能な限り当事者である高齢者の参加を促した。
<参考>