LtVPickUp~Japan's flying cars steal spotlight ahead of 2025 Expo opening
#Ecosystem_Building #Script #PickUp
▼ケース記事
https://www.nst.com.my/world/world/2025/04/1199929/japans-flying-cars-steal-spotlight-ahead-2025-expo-opening
▼記事概要
2025年大阪万博開幕を前に、日本スタートアップSkyDriveが「空飛ぶクルマ」SD-05のデモ飛行を大阪の夢洲で実施。12個のローターを備えたバッテリー駆動の3人乗りeVTOLで、15〜40kmの飛行が可能。万博期間中も飛行予定で、注目を集める。Marubeniが運営する1人乗りeVTOLも展示。SkyDriveのCEOは、万博で技術の魅力を発信し、将来の交通手段としての期待を強調。万博はイノベーションのテスト場として、持続可能な未来を目指す。
▼企業概要 (SkyDrive)
設立時期: 2018年7月
設立場所: 豊田市(日本・愛知県)
創業者: 福沢知浩(Tomohiro Fukuzawa)
事業内容: 電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発・製造・販売・運用、貨物ドローンの開発・製造・販売・運用およびコンサルティング、ドローンライトショーの企画・運営
ターゲット市場: 都市部および地方の空の移動手段、物流、観光・エンターテインメント分野
製品/サービス
詳細:
2人乗りの空飛ぶクルマ「SD-05」の開発・製造・販売
貨物ドローン「SkyLift」の開発・製造・販売
ドローンライトショーの企画・運営
独自性:
SD-05は12基の電動モーターとプロペラを備え、最大航続距離約10km、最高巡航速度100km/h、飛行時間5~10分を実現
SkyLiftは最大50kgの貨物を運搬可能で、着陸せずに荷物を降ろす機能を備える https://scrapbox.io/files/681688931c4b1de1019aaeac.png
チーム
創業メンバー:
福沢知浩(Tomohiro Fukuzawa): 2018年7月参画 - 東京大学工学部卒業後、トヨタ自動車でグローバル調達業務に従事。2014年にCARTIVATORの共同代表に就任し、2018年にSkyDriveを設立
取締役:
岸信夫(Nobuo Kishi): 2020年参画 - 三菱重工業に入社後、三菱航空機でMRJの開発に従事。2012年にMRJのチーフエンジニア、2015年に副社長に就任
佐藤健弘(Takehiro Sato): 2018年10月参画 - 東京大学薬学部卒業後、コンサルティングファームで事業戦略等に従事。SkyDriveでは貨物ドローン事業の立ち上げと全社戦略の策定を担当
大前創希(Soki Omae): 2018年参画 - ウェブコンサルティング会社Creative Hopeを設立。2018年にDRONE FUNDの共同創業者兼パートナーに就任
堤達夫(Tatsuo Tsutsumi): 参画時期不明 - Cyber Agent、Recruit、GREEなどで新規事業開発やCVCの設立・運営に従事。現在はSTRIVE III LLPの代表パートナー
比留間義樹(Yoshiki Hiruma): 2022年9月参画 - 日本政策投資銀行のイノベーション投資部シニアバイスプレジデント
技術と知的財産
使用技術:
電動垂直離着陸技術(eVTOL)
自律飛行制御システム
軽量高強度構造設計
特許: 特許や知的財産権の詳細については、公式ウェブサイトや公開情報で確認できず。
財務情報
累計資金調達額: 約117億円(2025年5月時点)
シードラウンド: 情報未公開
シリーズAラウンド:
リード投資家: Technology Ventures、Z Corporation、Strive、Drone Fund
調達額: 約13.9億円
年月: 2019年9月
シリーズBラウンド:
リード投資家: 日本政策投資銀行、伊藤忠商事
調達額: 約37億円
年月: 2020年9月
シリーズCラウンド:
リード投資家: MUFG銀行、スズキ、東京海上ホールディングス、NHKスプリング、SCSK、Inventum Ventures、大阪メトロ、みずほ銀行など
調達額: 約96億円
年月: 2022年9月
顧客基盤と市場シェア
時系列:
2022年3月: スズキと業務提携を発表。技術開発や量産体制の構築で協力
2023年4月: SD-05の個人向け予約受付を開始。最初の顧客はホンダジェットの日本初の個人所有者である千葉功太郎氏
2024年8月: シリーズCラウンドで追加資金を調達。投資家にはInventum Ventures、大阪メトロ、みずほ銀行などが含まれる
競合環境
競合他社:
Joby Aviation(米国)
Volocopter(ドイツ)
Lilium(ドイツ)
EHang(中国)
Vertical Aerospace(英国)
競合環境: eVTOL市場は、各国のスタートアップや大手企業が参入し、都市型エアモビリティの実現を目指して競争が激化しています。SkyDriveは、日本国内での実証実験や提携を通じて、国内市場での優位性を確保しつつ、海外展開も視野に入れています。
source: https://en.skydrive2020.com/
source: https://en.skydrive2020.com/about?utm_source=chatgpt.com
source: https://en.skydrive2020.com/archives/9127?utm_source=chatgpt.com
source: https://en.skydrive2020.com/member?utm_source=chatgpt.com
source: https://en.skydrive2020.com/archives/7416?utm_source=chatgpt.com
source: https://en.skydrive2020.com/archives/10308
source: https://www.globalsuzuki.com/globalnews/2022/0322.html?utm_source=chatgpt.com
source: https://tracxn.com/d/companies/skydrive/__m0V6b45mNSayMn3UmeQHhiZ6lMIxw-Nx1mXmlf30MPI/funding-and-investors?utm_source=chatgpt.com
source: https://impact.dealroom.co/companies/skydrive_1?utm_source=chatgpt.com
source: https://aam-me.ae/2024/08/30/skydrive-secures-additional-funding-to-accelerate-evtol-development-and-certification/?utm_source=chatgpt.com
source: https://de.wikipedia.org/wiki/SkyDrive_%28eVTOL%29?utm_source=chatgpt.com
▼初期仮説
大阪万博はeVTOL事業の実証と国際PRの転換点となる。
初期ユースケースは「観光移動」などのB2B型から始まる可能性が高い。
インフラ整備を担う自治体・交通事業者との連携が普及スピードを決定づける。
日本は安全規制の国際標準づくりで主導権を取るチャンスにある。
eVTOL競争はスペックだけでなくUX(静音性・搭乗体験)で差がつく段階に入っている。
▼事前リサーチ by Koki Kobayashi
Q1. eVTOL運航事業のユニットエコノミクスと収益モデルはどうなっているか?
eVTOL(電動垂直離着陸機)の運航事業におけるユニットエコノミクスは、以下の要素で構成される。
コスト構造:
機体取得費用(CapEx): 初期段階では、eVTOLの機体価格は数百万ドル(数億円)と推定されてる。量産効果により、将来的にはコストの削減が期待される。
運航費用(OpEx):
エネルギー費: 電動推進により、従来の航空機よりも燃料コストが低減される。
整備費: 電動モーターの採用により、部品点数が少なくなり、整備コストの削減が見込まれる。
パイロット人件費: 初期段階ではパイロットが必要ですが、将来的には自律飛行技術の導入により、人件費の削減が期待される。
インフラ利用料: Vertiportの使用料や充電インフラのコストが含まれる。
収益モデル:
運賃収入: 乗客からの運賃収入が主な収益源となります。初期段階では高価格帯でのサービス提供が想定されるが、量産効果や運航効率の向上により、価格の低下が期待される。
貨物輸送: 小型貨物の輸送サービスも収益源となり得る。
source: https://content.rolandberger.com/hubfs/07_presse/24_2429_REP_Advanced_Air_Mobility_lay5.pdf
source: https://www.ark-invest.com/articles/analyst-research/electric-air-taxi-cost-drop
Q2. Vertiport(離着陸場)設置・運営における具体的なビジネスチャンスと課題は何か?
ビジネスチャンス:
Vertiportの設計・建設: 都市部や交通結節点におけるVertiportの設計・建設は、不動産開発やインフラ整備の分野で新たなビジネスチャンスを提供。
運営サービス: Vertiportの運営には、発着管理、保安、旅客サービスなど、多岐にわたるサービスが含まれる。
付帯施設: ラウンジ、カフェ、ショップなどの付帯施設の運営も収益源。
課題:
用地確保: 都市部での用地確保は困難であり、高額な土地取得費用が課題になる。
規制対応: 航空法や都市計画法など、複数の規制に対応する必要がある。
住民の理解: 騒音や安全性に対する住民の懸念に対応し、社会的受容性を高める必要がある。
source: https://flyingcarsmarket.com/challenges-and-opportunities-in-scaling-the-evtol-industry/
source: https://businessaviation.aero/evtol-news-and-electric-aircraft-news/advanced-air-mobility/2025-outlook-for-vertiport-and-advanced-air-mobility-industry
Q3. 機体認証(型式証明)後の「運航認可」プロセスと、初期の運航における実務的なハードルは何か?
運航認可プロセス:
事業許可申請: 航空運送事業者としての許可を取得するため、事業計画や安全管理体制の審査を受ける。
運航仕様の策定・承認: 運航手順、パイロットの資格要件、整備体制などを定めた運航仕様を策定し、当局の承認を得る。
安全管理システム(SMS)の構築: リスク管理や継続的な安全性向上を目的としたSMSを構築し、承認を受けます。
初期運航のハードル:
パイロットの確保と訓練: eVTOLに特化した訓練プログラムの整備と、パイロットの確保が必要。
整備体制の構築: 新しい技術に対応した整備士の育成と、整備マニュアルの整備が求められる。
運航管理: 多数のeVTOLが低空域を飛行するため、運航管理システムの整備が必要。
source: https://www.faa.gov/newsroom/faa-statement-evtol-aircraft-certification
source: https://verticalmag.com/features/how-faa-proceeding-rules-evtol-type-certification-operation/
Q4. ターゲット顧客層別の「受容価格」と「キラーアプリケーション」は何か?
ターゲット顧客層とキラーアプリケーション:
ビジネス利用者: 都市部と空港間の移動など、時間短縮を重視するビジネス利用者が主なターゲット。
観光客: 都市の景観を楽しむ遊覧飛行や、観光地へのアクセス手段としての利用が想定される。
緊急・公共サービス: 救急医療や災害対応など、迅速な移動が求められる場面での利用が期待。
受容価格:
ビジネス利用者: 時間短縮の価値を考慮し、ヘリコプターよりも安価で、タクシーよりは高価な価格帯が受容されると考えられる。
観光客: 特別な体験としての価値を提供することで、プレミアム価格帯でも受容される可能性。
source: https://content.rolandberger.com/hubfs/07_presse/24_2429_REP_Advanced_Air_Mobility_lay5.pdf
source: https://www.lek.com/insights/ei/advanced-air-mobility-cost-economics-and-potential
Q5. 大手企業(機体メーカー、航空会社)が主導する中で、スタートアップや中小企業が参入できるニッチ市場や協業機会はどこにあるか?
ニッチ市場と協業機会:
ソフトウェア開発: 運航管理システム、予約プラットフォーム、メンテナンス管理などのソフトウェア開発分野での参入が可能。
インフラ関連: Vertiportの設計・建設、充電インフラの整備など、インフラ関連分野での協業機会がある。
部品・素材開発: 軽量素材や高性能バッテリーの開発など、機体の性能向上に寄与する部品・素材の開発分野での参入が期待される。
サービス提供: パイロットや整備士の訓練、保険・金融サービスの提供など、周辺サービス分野でのビジネスチャンスがある。
source: https://ntrs.nasa.gov/api/citations/20190026762/downloads/20190026762.pdf
▼結論
結論(リサーチの結果、個人的にはやっぱりこういう点が起業家にとっても価値だと思うッス、な論点)
結局、「eVTOLという本体ビジネス」だけじゃなくて、その周辺にある“ミドルレイヤー”の領域が一番チャンスあるのではないかと思う。特に、Vertiportの設計・運営とか、運航管理システム(AAM版MaaS)、あるいはeVTOL向けのSaaS/AIインフラは、今後10年で必要になることが予想されるが、まだ誰も本気で標準化やパッケージ化してない分野。
そして、国ごとに法制度や都市構造が違うから、ローカル特化型のソリューションを開発できる企業には、エコシステムの「重要パートナー」として巻き込まれるチャンスもあるはず。あとは、eVTOLの稼働率や安全性を支えるモニタリング・予知保全AIとかも、コアじゃないけど不可欠なピースかと。
だから、起業家としては「空を飛ぶ機体そのもの」を狙うより、空飛ぶ未来を下支えする“黒子的存在”を極めた方が、むしろ投資家や大手との連携でスケールしやすいんじゃないかと。今なら先行者優位が取れ、「プラットフォーム構想」じゃなくても、特化領域で“食える事業”は十分に作れると考察する。
#Future_of_Work