2030年の日本社会における人のつながりと法
高度科学技術の変化の速度が極めて速いことを反映して,高度科学技術社会である現在の日本社会の変化の速度も極めて速くなっている。そのような変化のなかで,人々が課題を発見し,それに対応する社会を構築するための公的・私的決定を適時に適切におこなっているかどうかは大きな問題である。
法は,一方で,高度科学技術の開発のあるべき方向を示し,開発のための社会的インフラを提供するという能動的な側面と,他方で,高度科学技術を人間の制御の下に止め,それを人間の福利のための手段として活用するための社会システムを用意するという受動的な側面を持つ。
この2つの機能は,国家,企業,家族のような社会集団いずれについても,法に期待されている。本プロジェクトは2030年という近未来の社会における人と人のつながりのあり方に焦点を絞り,法の分野横断的な対話を通して,断片的な課題解決だけではなく,対象社会における法の全体像を踏まえた各分野の具体的な法のあり方を追求する。