窒素シーディング
#用語解説
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核融合分野における窒素シーディング(Nitrogen Seeding)は、主にトカマク型の核融合装置で使われる技術の一つです。核融合装置の中で、特に「ダイバータ」領域(プラズマからの不要な粒子や熱を排出する部分)に窒素ガスを注入することで、以下のような効果を得ようとしています。
1. プラズマ冷却 :窒素シーディングは、ダイバータ領域でプラズマの温度を制御し、局所的な冷却効果をもたらします。核融合反応が高温で行われる一方で、装置の一部(特にダイバータ)は過熱する恐れがあり、材料の損傷につながります。窒素ガスの注入によって放射冷却(プラズマがエネルギーを放射によって失う現象)が促進され、これを防ぎます。
2. 材料の保護 :高エネルギーのプラズマがダイバータに直接当たると、その材料が劣化してしまいます。窒素を注入することで、プラズマとダイバータの間にクッションのような役割を果たすガスの層ができ、材料を保護します。
3. 放射線損失のコントロール :窒素はプラズマ中で放射を放つ性質があり、これによってプラズマから一部のエネルギーが放射線として失われます。このプロセスによってプラズマが冷却され、ダイバータが過剰な熱負荷を受けるのを防ぎます。
4. 不純物制御 :窒素は比較的軽い原子で、装置内の他の不純物(例えばタングステンなどの重い元素)に比べて、プラズマに与える影響が少ないため、ダイバータの劣化や装置全体への影響が小さく抑えられます。
窒素シーディングの目的は、核融合装置が長期間安定して稼働できるようにするためのものであり、特に高エネルギーのプラズマと材料との相互作用を最小限に抑えるために重要な技術です。
Facilitated core-edge integration through divertor nitrogen seeding in the HL-2A tokamakではELM抑制が〜って話をしてたmasaharu.icon
ダイバーターどーすんの問題の解決策の一つ