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図書館総合展「ボードゲーム目録作成ワークショップ:ボードゲーム目録の書き手(カタロガー)がまだ足りない件について 」
概要
日付:2022年11月24日(木)10:00~12:00
開催方法:オンサイト・オンライン(Zoom)
オンサイト会場:近畿大学アカデミックシアター
前提
背景
2021年9月に「一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会」が設立
ゲームマーケットのサンプル品ほかコレクションの寄贈をうけ、それらの整理・保存を進めている
新しい取り組みなので議論・方法論・人材育成が不足
適切にボードゲームを目録しそれを利用するためには、ボードゲームという資料・作品やコミュニティのそれらに関する認識の特徴に基づいて「情報の構造」を定義する必要がある。
2019年末〜2020年初頭から、有志による「ボードゲーム目録ワーキンググループ」が活動を進めてきた。
膨大なゲームや作者や出版者などのデータが登録されており有用。しかしこれらのデータベースでは資料としての情報は薄い。ここでいう「資料」とは手に取ることができるゲームそのものであり、各地域におけるリリースでありバージョンを指す。例えば下図の通りBGGの「カタン」には48件のパブリッシャーが記録されるがその個別の詳細については記録がない。 博物館や図書館では、個別の資料の名前・特徴・状態などに関するデータがまさに必要とされる。例えば、カタンのどの版を何個所蔵しているのか、その版の特徴は何か、それがどういった由来で得られたアイテムなのか、それらのコンポーネントは完備されているのか。そのような情報を記録できなければ資料を管理・活用することはできない。
WSの趣旨・目的
参加者のみなさんにアナログゲームミュージアムの活動と、目録作成の楽しみを知ってもらうこと
参加者の視点からアナログゲームの目録に必要な機能やデータ構造の妥当性を検討すること
目録作成をすすめることで構築されるデータセットの活用可能性について展望すること
アナログゲームの作品や資料の世界を記述するためのデータモデル
本WSで知っておくべきデータモデル(情報の構造)は下記:
https://gyazo.com/8576fc2fd5be51c8781895db4dcd1982
図. テーブルトップゲームの記述モデル
ここでテーブルトップゲームはボードゲームやカードゲームなどテーブルトップゲームの「製品パッケージ」を示す。個別資料は、その製品パッケージの例示である一つ一つの手に取ることができる現物資料。主体は個人か団体であり、テーブルトップゲームの出版者やデザイナーの公開や作成の責任者である。
今回のWSでの主な記述対象はテーブルトップゲーム。必要に応じて、個人や団体のリソースを記述する。
オンサイトの参加者は担当の個別資料のリソースからテーブルトップゲームにアクセスして記述する。
オンラインの参加者は各自持ち寄ったテーブルトップゲームを記述する。
データ入力
目録サービスの概要
デジタルアーカイブプラットフォーム「Omeka S」を用いて構築。同システムは継続的に開発中。 本WSでは、ハイブリッド形式で目録作成を実施。
オンサイト参加者:アナログゲームミュージアムの所蔵品
オンライン参加者:ご準備いただいた参加者が所有するデータ
WSで作成したデータについて
ここで作成したデータは、オンサイトでの作成はミュージアム所蔵のゲームが対象であるため、本データとして利用します(後日、専門家によるチェックと修正が行われる場合があることをご了承下さい)。オンライン参加者の作成データは、ミュージアムの所蔵品ではないため、イベント終了後削除します。
オンライン参加者の方は、イベント終了前後の時間帯に、入力したリソース詳細ページの下部にある「json」というリンクからデータを保存するか、スクリーンショットの撮影を行って記録していってください。
入力画面まで
1. 目録サービスのログイン画面にアクセスする
2. 以下のID, Passでログインする
ID: sougou@analoggamemuseum.org
Pass: XXXX (当日お伝えします)
オンサイト参加者の場合
1. 対象のゲームのQRコードの番号(個別資料ID)を確認する(例:A642)
2. 管理画面の左側バーのアイテム検索フォームから個別資料IDを検索する
3. 検索結果からクラス「個別資料」、タイトルが検索した個別資料IDであるリソースを選択する
4. そのページで「例示するインスタンス」の値のリンクを選択する
5. クラス「テーブルトップゲーム」の詳細ページであることを確認できたら、右上の「アイテムを編集」ボタンを押す
6. 該当のテーブルトップゲームの編集が可能に、以降シンストラクションに従い目録作成する
オンライン参加者の場合
1. 左のサイドバーからアイテムを選択し、画面右上の「新規アイテムを追加」ボタンを押す
2. これでアイテムの新規登録画面に到達
3. スキーマを参照しながら、インストラクションに従って目録作成する
https://i.gyazo.com/923328d5ff2ab6f20a88a3869b6c596a.jpg
図. AGMサーチ
目録作成作業
1. 新規アイテム画面で、リソーステンプレート「図書館総合展:テーブルトップゲーム」を選択する
選択されている場合は、触らずとも良い。
2. 管理注記に「作成:XXXX」と入力(XXXXは個人を特定できる名前、本データは今後も何らかの形で公開されるので本名でなくニックネーム・ハンドルネームなどがよい)
オンライン参加の方は、「作成:XXXX(オンライン)」と入力してください
3. そして、資料を眺めながら、識別的な特徴を分析する。とりわけ見るべきものは主に容器(裏面・表面)、説明書。
特に確認すべきは以下:
タイトル
版表示/バージョン
日付(出版年月日や著作権年)
クレジット
コンポーネント
作品の位置づけに関する表示(シリーズの一つの作品か、ある作品の一部か、ある資料の派生・異版か、などを確認する)
基本ルール
英数とスペースは半角で入力する
目の前の資料に基づき目録作成(データ化)する
今回のWSで記録する実体「テーブルトップゲーム」では、資料現物の物理的特性に着目するため、その資料に基づいた記述で適切な識別を提供する必要がある
特にタイトルや別タイトルは表示に従うこと
対象の資料(商品)に基づいて記述する、つまり資料だけではわからないはずの情報は記述しない
例えば、メビウスゲームズが2012年に発行した「ガイスター」の商品パッケージの場合、同タイトルが始めて公開されたのは1982年だが、ここで記述対象となるリソースはあくまでメビウスゲームズが日本で発行した製品でありその公開日(2012)を記録しなければならない。
「このゲームの作者は実は資料に書かれていないがXXXなんです!」などといったこともあり得るだろう。しかしそのような表示されない情報を記録してはいけない。記録してしまうと「作者XXXと記録されているが、この資料にはその表示がないので違う資料だな」と、別のユーザやカタロガーが資料の識別を間違えてしまう。
資料に表示されない情報をどうしても記述すべきという場合は、記述項目名と情報源を「情報源(ag:source)」に記録し、外部の情報をもとに記録したことを明示する