vim::Vimん人
「文字入力編集中にキーボードから指を離してマウス動かすのはどうなんよ」
という発言はまことにVimん人らしい発想です.
Vimの最大の特徴は,「矢印キーやらマウスやらを一切使わずにカーソルコントロールから機能コントロールまでやる」という設計思想です.
これはもともとコンピュータの端末がまだタレタイプの延長で,ディスプレイの中のカーソル移動もせいぜい,エスケープシーケンスの実装くらいのものだった時代に,VImの前身であるviエディタが生み出されていることに由来します.
「今は矢印キーもマウスも使いたい放題じゃん.なんで不便だった時代のエディタを後生大事に使ってるんだ」というのは後発のMS-DOS~WindowsあるいはMac OSのユーザがごく普通に感じることだと思います.
でも,Vimん人は違うんです.
vimがホームポジションというものをいかに大切にしているかを身にしみてわかっているんです.
たとえば遠隔でプアなシリアル端末にしか接続できない環境で,vimは大活躍します.
最悪1行しか表示されなくなったとしたら?
▶▶ viには前身のex , edエディタのモードを持っているんです.
コロンコマンドはedコマンド由来です.
そういう劣悪な環境でも戦える頼もしいやつは,ごく普通のWindowsやMac OSやLinux環境でも,やっぱり便利なんです.
ただ,昔のviと違って,いまのvimはバカでかいです.
かつて,Emacsのことを「なんであんなにでかくてトロいアプリをエディタと呼ばなきゃいけないんだ!」と非難したのがviユーザだったのです.
ところがサイズも起動速度も,いまやEmacsとなんら変わることがありません.
その分当然,実装されている機能や無限のようにあるプラグインを活用すれば,かつてEmacsが誇っていた「Emacsは統合環境だ」という高度な機能も,Vimであっさり実現できるようになっています.
……ああ,語り始めたら止まらない.これがVimん人ですわ~