デザイナがコードを書けたほうが良いか問題
Web のデザイナ職の人がコードを書けたほうが良いか、みたいな話がよくされる
これについて、私は「デザイナは使われるデバイスやプラットフォームを理解した方が良い」という問題の変種と捉えている
つまり「ブラウザって(Web サイトって)こんな感じだよね」「スマホアプリってこうよね」「PC ってこういうもんだよね」の感覚がある方が良いみたいな話
その「こういうもん」は利用者目線で構わない(全くの素人よりはちゃんとした利用者)
それを得る一番手っ取り早い方法が「実際に HTML を書く」であったりするので、タイトルのようなことが言われる
それ以外の理由でデザイナがコードを書くべき理由は特にない
が、「書けたほうが良いか」という聞き方だと「そりゃ書けないよりは良いでしょう」という答えになってしまう
なので質問の仕方が悪い
なんでこういうことを言いたくなるのか
#フロントエンド の人から見てあるあるの困りとして、「それネイティブアプリでやるなら良いけどブラウザでやんないほうが良いよ」みたいな指摘をするとかがあると思う 例えば、画面の左端からスワイプで出てくるメニューはブラウザバックと誤爆しやすいので諦めて欲しいとか
ジェスチャのコストは軽いと思われやすい
ブラウザはスクロールは得意だけどスワイプなどのジェスチャは得意ではない
ブラウザの機能に「すでに取られている」、予約語みたいなアクションがある
これ画面幅が 768px のときのことしか考えてないけどどうなるの、とか
レスポンシブをすべての思考の基礎に置くみたいな話
人間はブラウザの右下にカーソルを当ててびよんびよんドラッグをする
イケてる体験はスマホアプリを基準に提案されることがあり、Web は時々それをいい感じに模倣して差別化をする
モバイルファーストの時代
エンジニアとしてはできるだけ元の意図は尊重したほうが良い
「実装の都合でやめてもらう」を言うのは少し勇気がいる
ここでついデザイナに「実装の都合」を理解して欲しいと言いたくなる
しかし理論上、実装を体験する必要は必ずしもない
「お前らもっと他社サービスのブラウザ版に興味持って触れや」でも良いはず
Web の仕事をしているけど、日常生活では(便利なので)ネイティブアプリしか使ってない状態になるケースはある
たぶん本当に防ぎたいのはこっち
私は逆の問題に陥りやすい(ネイティブアプリをあんまり入れない)
「UI デザイン上の原理は両方一緒でしょ(そんなの実装の詳細!)」と思わないことが大事
エンジニアは #Twitter Web 版がすごいことを理解できるが、これを「アプリの劣化版」と思わないようになるには? でもやっぱり、この辺をわかりやすく意識できるのは制作会社で HTML やったことある人という事実はある
なので今日もみんな「デザイナがコードを書けたほうが良いか」というような話をしてしまう