「リアル」を「現実的」と訳さない
英文で "real" と出てきたときに、日本語の「リアル」と同じような意味で訳すとだいたいおかしな感じになる
日本語の「リアル」は「現実に似ている、近い、現実的」といったニュアンスが強い
これは英語なら realistic とかの方が近いんでは?
英語だと普通に「真の」とか「本当の」とか言う感じになることが多い
#フィクション を「リアルである」とか「リアリティがない」という時、「現実的」という意味で解すとおかしなことになる 私なら「実在的」とか「実在性がある」と訳す
実在的であるためには現実世界に似ている必要はない
概して矛盾がなく、ルールに整合性があることが必要条件
「本当にそういう世界あってもおかしくないと感じられる」というようなニュアンス
もっというと、「自分が目で見てないときにも持続していると信じられる」が本質的な意味
「この部屋は実は、自分が見てない時には存在しないかもしれない」と考えるのが反実在論(だよね?) 「目に見える現象の背後に、真の実体がある」というのが実在論 読者のあなたが実在論を信じるかはともかく、実在論を信じさせるような力を持っているのが「リアリティ」のあるフィクション、と考えられる
リアリティを実在性と解することは 真理の整合説 を暗に前提にしてる、と言えそう 逆に、現実に似ていることを重視する人は 真理の対応説 を信じていることになる? ところで virtual の対義語は real ではない、という話がよくあるが
こう答えてしまうのは日本語のニュアンス(「現実的」)に引っ張られた結果では?と感じることがある
英語圏の人もこういう間違え方をすることあるんだろうか(知ってたら教えて下さい)
自分は virtual の対義語は actual か nominal を好んで使うようにしている
actual は「現にそうである」「実際の」みたいなニュアンスで、real よりはだいぶマシと感じる
virtual が「 #アイデンティティ は異なるけど機能や本質は同じ」という意味の時、アイデンティティが同じであることを表すのに actual を使う 「本当はこっち」というときの「本当は」は really よりも actually で言う方が自然
real はモノを、actual は出来事や現象を指すときに使うことが多い気がする
「実際の(actual な)事件」とは言うけど「真の(real な)事件」とはあまり言わない
nominal は「名目上」みたいな意味で、見た目は似ているけど機能は全く果たしてないような感じ
virtual が「見た目は違うけど機能は果たしている」という意味であるとして、真反対の状態を表すときに nominal を使う
ホログラムの椅子は座れないので nominal だが、ダンボール箱は座れるので virtually に椅子である
3DCG の椅子が virtual と言えるのは、あくまで自分の体も 3D 空間にいる(したがって座ることができる)からである
なので、3D 空間「全体」を指して virtual reality というのならおかしくない(実質的に入ることができるから)