範列的モジュール
(「範列関係」というのは言語学の用語で、ある文脈中の要素Aと、その文脈には現れないがAの代わりに現れうる要素B・C・D……との間にある関係。 例えば、「高い山」の「高い」と、「低い」「険しい」などの間にある関係。)
アセットを機能ごとに分類し、機能と機能の結びつき方を定義することで潜在的な無数のパターンを可能性として示す。原子的モジュールとの差異はその接続文法がどれくらいのレベルで規定されているか、あるいは、接続機能がどれくらい細分化されているかであり、必然的に両者の境界はグラデーションとなる。 原子的モジュールとくらべ範列的モジュールはアセットの接続方法の制約が強く、それにより可能性は縮小するように見えるが、実際はその制約によって検討すべき可能性が縮減しよりクリエイティブを遂行しやすくなる。ただし、この範列に囚われている限りそれが規定したフレームの外部に出ることはできず、そこには自覚的になるべきだろう。
▽接続機能……先に用語を導入しておく。言語における「名詞」、音楽における「ドミナント」など、アセットの接続文法を規定するものを接続機能と呼ぶ。ある接続文法(=接続機能系)の中の接続機能が同一であれば、その内容が何であれ文法的な接続が機能する。 ▼言語
言語における範列関係はその機能によって互換性が担保されている。
例えば日本語は「SOV」言語なので、「[名詞]が[名詞]を[他動詞]」という連辞関係の中に、[名詞]や[動詞]の範列関係が内在している。だから、この機能対機能の連結さえ担保すれば、言語でないものにも範列関係が見出だせる。
https://gyazo.com/ea07432f3964eaccb9f686f63904d3c7
▼コード進行
例えば、コード進行ではコードが「トニック(T)」「サブドミナント(S)」「ドミナント(D)」という3つの機能に分類され、それぞれの連結法が規定されている。これによって和声にも範列関係を見出だすことが可能になる。
https://gyazo.com/d3b59be5b1d76074eb1ac3ecdb2577d2
▼服
コーディネート
あるいは着せかえ人形。
▼物語
ストーリーには「起承転結」がある。つまり各場面を起承転結それぞれに還元し範列関係を見出だすことも可能かもしれないが、大抵のストーリーは起承転結の連辞の結びつきが強く(つまり次の場面は前の場面を強く参照するため)置き換えは難しい。Aという映画の起とBという映画の転を結びつけようとしても、そもそも登場人物が違っては繋がりようがない。機能の内容物が連辞に関わってくる場合は、範列関係を見出すことは難しいのだ。ではその内容物による制約条件を整えるとどうだろう。どこを捨象することで、例えば4コマ漫画の範列関係が可能になるだろうか。
▼Mii
▼Picrew
┗Picrewにおいて、創造のレイヤーはふたつある。
①○○メーカーを遊ぶ人。
②○○メーカーを作る人。
②はクリエイティブのフィールドを設計するという意味でメタ・クリエイティブであると言える。そして、さらに言うならばpicrewの開発者は2階メタ・クリエイティブ。
ここで、picrewの開発者という上流から○○メーカーの遊び手という下流に行くに従って選択領域がどんどん狭くなっていることがわかる。また、下流に行くに従ってプレイ人口も増えている。選択領域の狭さとクリエイティブのハードルは反比例関係にあり、選択領域が狭いほど多くの人にプレイアブルなフォーマットとなる。⇨制約によるクリエイティブの促進 ▼アナログシンセ
▼美少女ADV(背景-キャラ-セリフ)
▼漢字
へんやつくりといった意味を持ったパーツ群の組み合わせによって無限の生産性を有している。
⇨フローチャート漫才