【B-2】ボディとキーキャップを3Dプリントする
ボディ(筐体)とキーキャップをそれぞれ光造形3Dプリンターで印刷する。
二次硬化前のレジンは有毒なので手袋で作業し、作業中は換気する。
数日の潜伏期間がある。症状が出てからでは遅い。
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印刷開始
部屋を暖かくしておく(25°以上が望ましい。レジンの流動性を上げるため)
プリンターのレジンバット・ステージが綺麗で乾燥していることを確認する(少しでもゴミが挟まるとフィルムが破れる)
レジンを久しぶりに使う場合は蓋をして振っておく(特に白。成分の分離を混ぜるため)
バットの腰までレジンを入れて蓋をする(水深1.5cm以上Maxライン以下)
ボディはSiraya Tech Bluの emerald blue
キーキャップはSiraya Tech Bluの Nylon Mecha(white)
プリンターの電源スイッチを入れる
ディスプレイからデータを選んで印刷を開始する
ボディは印刷 > ローカルファイル > fish_body_2.ctb
キーキャップは印刷 > ローカルファイル > fish_caps.ctb
プリンター稼働中も換気するか、違う部屋に居るのが望ましい
印刷完了後
印刷終了から数分は待って水滴を落とす(数時間以上放置するのは望ましくない)
部屋を換気状態にする
ニトリル手袋をする(その上からPVC手袋をして2重にしてもよい)
蓋を開けて窓の前に逆さに置く(日中窓からバットに差し込む日光を遮断する)
ステージのネジを外し、金属トレーで水滴を受けながら机上に移動する
キャップの場合は裏にもレジンが溜まっているので裏返した状態で数分保持し、溜まったレジンをバットに戻す(節約&掃除しやすくなる)
https://scrapbox.io/files/663121c500880e002544760b.jpeg
スクレーパー(3DP用のベタベタしてる方)で造形物を剥がす
刃を湾曲が潰れる程度にステージに押し付けながら丁寧に隙間に差し込み、浮いたところからスライドさせていく
刃がサポート以外の造形物の側面に当たらないように注意する
造形物からサポートを除去する
廃液タンクのエタノールの中で造形物を筆で洗う
超音波洗浄機のエタノールで仕上げ洗いをする
このとき筆の穂先も一緒に洗って乾かしておく。他の道具の超音波洗浄は不要
金網などの上で造形物を乾かす
このとき、一巡前のやつが乾いていれば二次硬化に回す(指先をアルコールシートで拭いてきれいにしてから触る)
接地面が最小限に、かつ溜まったアルコールが滴る向きに置く(ボディ・キャップともに使用する向きと同じ)
ステージ→トレー→机上を掃除する
トレーに落ちたサポートなどを捨てる
ステージに付着したレジンをキムワイプで拭く
ステージやバットの内側など、造形レジンが直接触れる部分はティッシュではなくキムワイプを使う(繊維が付着しないように)
洗瓶のアルコールを含ませたキムワイプで仕上げ拭き
ゴミがついていないか触感と目視でチェックし、プリンター本体に戻してネジをしめる
次の印刷でも同じレジンを使う場合は、ステージの裏面は拭きとらなくてもOK
トレー・机上も同じ要領でティッシュで掃除し、現状復帰しておく
次の印刷を仕掛ける
手袋を外し、石鹸でよく手を洗う
乾燥後
UVライト上で二次硬化する
キャップは表面30分、裏面20分
ボディは仮のプレートがはまるか確認したあと表裏1時間
ボディは段ボール箱に、キャップはひと揃いでジップ袋の中に保管
印刷に失敗した or バットのレジンに塊が見えたとき
レジンの容器に漏斗、その上にストレーナーをセットしておく
バットの両側のネジを外し、左上の角からゆっくりレジンを容器に戻す
ほこりや塊は絶対にレジンの容器に入らないように
戻すレジンの容器を間違えないように(前例あり。レジンは1本1万円、混ぜると使い物にならなくなる。間違えないように、机上には今印刷に使っているレジンの容器1本だけを出しておく)
最後の方は黒いゴムへらを使って、バット表面に残ったレジンもこそげ落とす。これが意外と馬鹿にならない量になる
バットをステージと同様にキムワイプ・エタノールで掃除する
フィルムは柔らかいので、できるだけ伸びないようにする
造形物が張り付いている場合は、手かスクレーパーで剥がす。爪を立てると簡単に突起状の跡が残るし、スクレーパーの角で触ると簡単に穴が開くので、細心の注意を払う
バットの外側側面を拭くのはティッシュでOK
プリンターを調整するとき(詳しくは訊いて)
フィルムに穴が開いた or 凹凸が無視できなくなってきた→ACFリリースライナーフィルムの張り替え
ボトムの一部または全部が継続して脱落→Z軸原点のリセット
失敗例
ステージ・バットのネジをつけ忘れたまま印刷した→ボトムが一部脱落
ACFフィルム張り替え時に裏表を間違えた→数回の印刷でボトムの形の凹凸が発生、剥離抵抗で使い物にならなくなる(フィルムは青い保護シートが貼ってあるつるつるな方がレジン側、さらさらな方が光源側)
ACFフィルム張り替え時に余った外周のフィルムを切り詰めていなかった→接地時に噛んで1コーナーだけボトム脱落
PVC手袋だけの2重で作業した→アルコールが浸透?してきて指先が荒れた
換気しないで稼働中の3Dプリンターの真下で寝た→目がヒリヒリ痛くなった
途中で1層おきに二回一時停止した→そこで脱落した
ボディ
作業のポイント
印刷が終わったらすぐに(遅くとも数時間以内に)剥がして洗浄する
尻尾から刃を入れて慎重に剥がす(造形物側面に刃を立てないように)
二次硬化は日光でも1時間ぐらい(色が「緑というよりは水色」ぐらいに変わるまで)
失敗例
印刷乾燥後数時間以上放置→残ったレジンが硬化してUSB口などが狭くなり、部品が入らない
乾燥後二次硬化まで数日空ける→表面にベタつきが残り、クリアコートする羽目に
ボトム推奨値→硬すぎてプレート終わる
一層推奨値→透過して上に太りまくり
自動サポート無編集→太って外側の枠と一体化
ボトム交差補償なし→太ってプレート入らず
Z軸原点上すぎ&一層2.0s&移動速め→ボトムトランジション層で脱落
キーキャップ
作業のポイント
洗浄は念入りに、しかし最短時間で!
穴の中が洗えていないとキースイッチのステムが刺さらない、トップ面に汚れやレジンが残留してると売り物にならない
エタノールに長時間浸すと薄い壁がたわみ、はめた時に干渉する
廃液の池(緑パッキンの浅いほう)に半身浴させながら筆洗い
トップ面を親指でくるくる擦って滑りを落としながら、90°ずつ回転させ4サイドを筆で軽く撫でる
裏返して十字穴の奥を筆でトントン、四隅も軽く撫でる
その後の超音波洗浄は30秒で引き上げる
それ以上やると歪む
当たる面が集中しないよう適度にかき混ぜながらやるとよい(ほんとか?)
筆の穂先も一緒に洗って戻す(やらないと筆先が固まる)
一部のみ成功したら銀行(キーキャップの空き容器のひとつに溜めてある)に置いておく→足りないのをそこから補う
失敗例
ボトム50秒→剥離
一層2.2s→トランジション層で剥離
一層2.5s→湯葉発生
筆洗いせずに超音波だけで処理→穴埋まる、ステムの根本で剥離する
エタノールに数分漬け置き→壁がたわんで組み立て時に干渉
筆洗浄だけで超音波スキップ→表面汚れが残る
超音波スキップ&二次硬化裏表30s→表面ベタつきが残る