【B-1】プレートを削り出す
クリアコート(初回のみ)
カット済み快削黄銅板にクリアラッカーを吹き付ける。
ニトリル手袋で作業し、傷や汚れがつかないように細心の注意を払う。
ベランダで段ボールなどの上に並べて満遍なく吹きかけて30分以上乾かす。
裏も同様に。
クリアコートをした後は指紋等の汚れはメガネ拭きで拭けば落ちるようになる。
切削の開始
CNCフライス(kitmill CL100)で真鍮板を切削する。
一式50万円弱。壊したら弁償。
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真鍮板のより綺麗だと思う面を表とし、裏面にカットパスを避けるように両面テープを貼る。
写真はLの場合。
カットパスに被るとエンドミルがテープを巻き込んで折れる。事例あり。
テープは指でちぎらずハサミで切る。指でちぎると端部がくるっと二重になってそこだけ厚くなり、全体の粘着力が弱くなることで切削中にテープが剥がれて暴走する。事例あり。
不安がよぎったら貼り直せ。テープ貼りが全てと言っても過言ではない。
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CNCの加工テーブルにゴミ・汚れがなく乾いているのを視覚・触覚で確認する。
加工テーブルの真ん中ら辺に真鍮板をテーブルと並行に貼り付ける。
縦横の座標はこの後調整するので、厳密に真ん中である必要はない。
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メガネ拭きなどの上からしっかりと体重を乗せて押さえつける。
甘いと切削中に剥がれて暴走する。
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USBCNCのメインメニュー下からJOGPADを出す。
それを使って、真鍮板の左下の角にエンドミルの中心が触れるようにヘッドを移動させる。
contで連続移動、スライダーでその速度調節
近くなったら1mm→0.1mm→0.01mmのステップ移動で微調整
Z軸を近づけるときは必ず画面左上のボタンでスピンドルを回転させながら行う
回転させずに真鍮板に突き立てるミスをしたことはないが、たぶんエンドミルが折れて顔面に飛んでくるかZ軸モーターがぶっ壊れる
X, Y軸は1mm単位で、Z軸は0.01mm単位で揃える
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表面がチリチリ削れ始めたらそこでストップ。JOGPADを消し、スピンドルの回転は止めて良い。
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ワーク座標タブのX, Y, Zの左にある十字?ボタンを全て押し、座標原点を設定する。
青背景の座標欄のすべてが0.000になったのを確認する。
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AUTOボタンからNCプログラムの実行メニューに入り、LOADボタンを押してローカルから該当のncファイルを選択。STARTを押して切削を開始する。
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ギーギー削り始めていることが確認できたら防音箱の蓋をそっと閉め、約1時間待つ。
取り出し
終わったら蓋を開ける。
切削音が消え、PCに「切削完了。NCプログラムの先頭に戻りました」の文字が出るのが目印。
矢印からメインメニューに戻り、JOGPADのcontでZ, Y軸を上げてヘッドを邪魔にならない位置まで下げておく。
限界まで移動させると壊れる原因になるので端からは余裕を持って止める
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ハンディー掃除機で削りかすを掃除する。
粉を押し付けて表面を傷つけないよう、優しくかける。
掃除機のテンションが下がってきたら充電する。
掃除機の吸引力が落ちてきたらフィルターに溜まったカスを捨てる。すぐ詰まる。
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スクレーパー(幅狭いほう)で角からゆっくり剥がす。
無理にやると真鍮板が歪んだり勢いよく外れてヘッドにぶち当たったりするのでジワジワと。
刃を側面に突き立てると刃こぼれするだけ。刃先の角度を考えて隙間に差し込む。力は要らない。
おすすめの浮かせ順は、右下の角→右上の角→おさかな右端。
外した後のテーブルも再度掃除機をかけたうえで、アルコールシート→ティッシュなどで拭き掃除する。
少しでもゴミ・凹凸や濡れが残っていると次の粘着が剥がれる原因になる。
研磨
プレートの内側にある両面テープを剥がす。
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軍手をして、四隅から枠をへし折って分離する。
金属ゴミは専用の箱へ。
ダイヤやすりのビットがついたリューターでタップ(切削中に四隅とプレートの分離を防ぐ4箇所のつながった部分)の跡のバリを削り取る。
おもて(切削時上だった、ネジ頭やゴム足の窪みが見えている)面に傷をつけないよう、裏側から。
底まで削れていなかったときは、へし折った際に輪郭全体にバリが残る。その場合はまずニッパーで可能な限りむしり取ってからリューターで貼りを削りとる。
リューターは優しくあてがうだけで削れる。圧力をかけると回転に巻き込まれて接点が暴走し、他の面を傷つける。
金属片が飛んでくるのが心配なら安全ゴーグルをする。
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六芒星のドライヴァー(画像右上)で6つあるネジ穴が開通しているかチェックする。
先が1mmぐらい出ればネジも通る。引っかかるようならグリグリして拡張する。
こちらも底まで削れていなかったら、まずキリで貫通させたあと裏に出たバリをリューターで垂直に削り落とす。リューターの先が暴走して裏面を傷つけやすいので繊細に。
手袋を外し、おもて面の四つの大きな穴にゴム足を貼る。
ジップ付き袋に入れ、作業者を書いて所定の場所に保管する。