2種類の「信じる」
「信じる」には客観的事実で揺るぎなく、他に押し付けえる「信仰」と、
「わたしはそうだと信じる」というような主観的信仰がある。
このふたつはまったく別ものではないか。
前者を「まつろう」、後者を「したう」と表現してみたい。
まつろう、は服従や神としてまつりあげる、といった意味だが、この意味に転じて使うのが良い。
「したう(慕う)」には、「学問・人徳などを尊敬してそれにならおうとする」という意味らしいが、これも主観的信仰という意味を持たせれば良い。
ある新興宗教の指導者が「信仰とは一切疑いを抱かないことだ」といったらしいが、これはまさに「まつろう」である。
自分自身に対して批判的に、信仰を絶対視しない姿勢こそが「したう」信仰である。