バックファイア効果
まちがいを指摘されると、ますます信念をふかめてしまうこと。
ブーメラン効果ともいう。
エコーチェンバーはおなじ意見ばかりをきいてかたよることをいうが、こちらは逆である。
関連情報
(太字はこちらでつけた)
母親を奪った陰謀論。息子の語った後悔とは
とにかく、やるせないし、悲しいですよね。お金がほしいならあげるから、そんなことをしないでくれよ、と。政治的主張のために誤った情報を流している人も許せない。誰を恨めばいいのか。考えれば考えるほどわからなくなっています
…
そういう情報を収益化してしまったり、表示させてしまったりするアルゴリズムに責任があるんじゃないかとすら感じますし、怒りがないかといえば嘘になる。一方で私はアルゴリズムの受益者でもある。諸刃の剣だったのかもしれませんね
…
さらにコロナへの不安と恐怖もあり、どうしようもない日々を過ごしていて、陰謀論にはまってしまったのかもしれません。否定をするだけではなく、もう少し寄り添ってあげることができたのかな、もっと優しさを示してあげることができたのではないかと後悔しています
母親を陰謀論で失った(対策編)
デマ情報への反論やファクトチェックは、それらを信じてしまっている人たちに対しては逆効果になることが多い。なぜならその人たちの価値観の一部になってしまっているケースが多く、本人は理論的に理解する事はなく『攻撃されている』と感じてしまうからだ
…
昨今、ほとんどのデマ情報のソースはインターネット上だ。貴方の家族や友人がネット上でそれらを広めるのを見る事があるかもしれない。しかし文字だけでコミュニケーションを取るのは得策ではない。最低でも電話をする、そして議論しない事を心掛ける。優しく肯定的に話をし、相手のガードを下げることが出来れば、有害な情報から離れてくれる可能性が高まる
…
悲しいかな、陰謀論を一度信じてしまった人たちに対して私たちに出来ることは少ないことを知るべきだ。陰謀論やデマ情報を信じる人をあなたの近くに置く事は、人生に不安定さをもたらす。暴言を吐く、暴力的なそぶりを見せるなどしたときは、一刻も早くプロの精神科やソーシャルワーカーに任せ、あなたは去るべきだ
「地球平面説」が笑いごとではない理由
やりとりを重ねるうちに見えてきた。フラットアース説はキリスト教原理主義と陰謀論の奇妙なミックスで、一部の人々にとってそれは信仰のようなものなのだ。
…
まともに反論してもダメだと思った。どんな証拠を突き付けても、彼らは聞く耳を持たない。
…
彼らに「証拠を見せろ」と迫れば、彼らは喜んで差し出すだろう。逆に「これが私の証拠だ」と突き付けても、却下されるだけだ。そうではなく、彼らに聞いてみることにした。どんな証拠があれば、自分の間違いを認めるのか、と。この質問は彼らの意表を突いたようだった。
…
結局、私はこの会場で誰の考え方も変えることができなかった。それでも、私はある重要なことを実践した。対話を行ったのだ。
研究によると、データは人の考えを変えられない。人は、信頼できる人との対話を通じて考えを変える。私が信頼してもらえたと言うつもりはないが、時間を割いて多くの人と言葉を交わすことで、ある程度の信憑性を感じてもらえた自信はある。
科学否定論者を問答無用に切り捨てるのは賢明でない。それでは不信感が拡大し、ますます亀裂が深まるだけだ。
トランプ支持者はなぜ熱狂的に支持しているの? とにかく彼らに会い続けた記者が、これからも語り合う理由
彼らにとって事実かどうかは関係ない。
…
一連の取材で事態の深刻さを目の当たりにした私が、少しだけ希望を感じていることがある。今も週に何度となく、私とトランプ支持者との間でやりとりができていることだ。
彼らから私のスマホに届くのは、バイデン政権がすすめる政策への反発や今になっても選挙の不正を訴えるメッセージだ。私からはバイデン政権が矢継ぎ早に打ち出す政策についてどう思うかを尋ねる。 こうしたやりとりのほとんどすべては、お互いに同意することはない。
それでも当初あった、立場の違う人間に対して、話し始める前から相手を否定し、相手の主張は聞き流し、次にどう反論するかだけを考える、今の分断されたアメリカの姿はそこにはない。
私の仕事は取材先を説得することではなく、立場の異なる人々の意見に耳を頃けることだ。自分の意見を求められても、「あなたの主張はわかるが、私はこう考えている」と控えめに荅えるだけにとどめている。
英語には「あなたをjudgeしない」と言うフレーズがある。相手の立場や考えを否定せず、ありのまま受け止める、という意味で使われる。2つの世界を行き来する際に、私はこの言葉を大切にしている。