怠惰という失敗から学んだこと
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・お前は誰だ
未来大に2019年に入学し,2023年に卒業しながら横国の大学院に進学した人間.元学籍番号はb1019193.元所属は知能システムコース.詳細は以下を参照.
・この記事について
研究テーマを変えるために勇気を出して外部院進をしたが,指導教員との相性の悪さに加え,研究活動を行うにあたり必要な心構えや習慣を身に着けていなかったため,M2の秋に適応障害を発症してしまった.(→心身をぶっ壊した) 現在は休学して実家で療養中の身であり,この期間に自身の過去を振り返る時間が生まれた.その上で以前から修得しておけば失敗せずに済んだかもしれないことやマインドが沢山思い浮かんだので,自戒を込めて執筆している次第である.指導教員のせい?研究テーマのせい?いいえ,ほとんどは自業自得です.
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5463人目の休学者ということになるのだろうか.
本記事は「過去にこうしておけば良かったかもしれない」といった自身の後悔と対策を綴ったものである.これを読んでいるあなたは大半は当たり前のものとして見に付けているかもしれないが,悲しいことに自分にはなかったことだ.恥をしのんでここに書き残す.
見方を変えれば,以下の能力が無くても研究活動の着手や大学院への進学自体はできてしまうということである・・・同じ轍を踏んではならない.
拙い文章ではあるが,反面教師になれば幸いだ.
・前もってコツコツやる(やり始める)習慣をつける
私は高校時代から締切ギリギリにならないと動けない人間だった.そのギリギリのラインも年を経るごとに悪化していき,大学生になってからは締切数時間前に取り掛かるようになり,見直しもせず,しょうもないクオリティのレポートを提出することが常態化してしまった.しかしこれで間に合い,生き残る経験を繰り返したまま大学院生になってしまった. レポートはこれでなんとかなるかもしれないが,研究はそうもいかない.数ヶ月や1年で目標に到達できる見通しもなく,コツコツと努力をし続けても上手くいかないことがある事に取り組むのである.しかし1,2週間の短期的なゴールに対して余裕を持って遂行できていなかった人間が,数ヶ月や年単位の中長期的なゴールに対して計画的になにかを行うことは困難であった.超絶的な先延ばし癖に支配されており,直前にならないとやる気が出ないからだ.
定期的なMTGに対して直前に用意することを繰り返した結果進捗は生まれず,自信を持って報告できることはなく,指導教員に毎回叱責されるのは日常であった.しかしどんなに危機感を抱いても身体は動かず,頭が働かなかった.いつの間にか最低限度の進捗を生むための時間や労力の見積もりができなくなっていたのだ.こうなると周りの人間や指導教員に怯え続けることになり.精神衛生上大変よろしくなく,転じて生活習慣も壊れ始めるのでいずれ病んでしまう.自分も病んでしまった.
このように直前のひとがんばりでは「なんとかならない」ことが研究やこの先のどこかできっと沢山待ち受けている.体力もキャパシティもとても間に合わないことが増えてくる.
しかしやる気が出なくてもこのように先が見えず,検討もつかない大きなことに立ち向かわなくてはならない.そうなるとモチベーションに左右されず,コツコツと少しずつ進めていく習慣を身につける必要が出てくるが,その重要性を可視化するにはどうすればよいだろうか.いくつか例をあげてみる.
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"よく「やる気ってどうしたら出るんですかね」なんて、よく分からない質問をしてくる人がいます。
多くの人は、やる気というのは行動を起こす原因だと勘違いしています。
実は、やる気は行動の原因ではなく「結果」です。だからやり始めない限り、やる気はでません。
やる気が出たから走るというのはダメで、まずその日走り始めることが大切なんです。そうすると走りながら「じゃあ、もっと走ろうかな」と思ったりする。これがモチベーションなんです。
これは学校の成績をおいても同じです。モチベーションを待っている人は、できない人。できる人ほどシステムに従います。時間が来たから始めるとか。
「やる気」という単語は、できない人によって創作された言い逃れのための方便です(笑)。"
つまりはやる気という概念は実質的に存在せず,ただ「行動したか,行動しなかったかの結果があるのみ」ということである.脳科学者の先生が言うのだから説得力がある.またモチベーションに依存しない継続のためにはルーティン化することの大切さも説いている.
ここで指導教員は「1.01の法則、0.99の法則」を例に継続することの重要性を説いてきたのを思い出した.これは1%の努力(つまり1.01)を毎日積み重ねる(365乗)と37.8という値にもなり,逆に1%サボる(つまり0.99)を毎日積み重ねると0.03という値になるという法則である.
すなわち日々ほんの少しの頑張りを積み重ね続けることで,1年後には大きな結果を生むことができ,逆に少しでもサボり続けるとほぼ何もしていない以下になってしまうということだ.したがって1日数ページでも,数行でも,数問でも進めることを継続することができれば,計算上それは確実な進捗となって結果に現れるはずである.
ふと思い出したが,ゲームクリエイターの桜井政博さんも自身のYouTubeチャンネルにて,「とにかくやれ!いますぐやれ!」と力説していたくらいである.圧倒的な手数とアウトプットのもとに彼の圧倒的な成果は成り立っているのだろう.
https://youtu.be/JV3KOJ_Z4Vs
これらをふまえると,「ちょっとでもやることを習慣化する」ことの重要さを少しは実感できるのではないだろうか.ちょっとでもやり始めたらそれが軌道に乗ってくるかもしれないし,程度にかかわらずそれをコツコツ続けることで確実な成果に繋がる可能性が高い.指導教員が「とにかくやれ,毎日朝に研究室に来い」と耳にタコができるくらい言い続けてくる真意を今になって理解した気がした.私達はもっと軽率に,眼前のやることに向き合って少しでも進めたことを誇り続けるべきなのだろう.
・インプットする習慣をつける
非常に情けないことだが,私は本を読むことが苦手だった.正確には読む集中力と忍耐力を身につけないまま大学に進学してしまったので,参考書や専門書を読んで体系的な知識をインプットすることができないまま5年以上の大学生活を送ってしまった.期末試験も過去問の一夜漬けだけで乗り切り続けたため読み込む機会もなく,その結果付け焼き刃の知識で研究活動に取り組んでしまい,大変苦しんだ.
研究は基本的には自走しなければならないため,誰かの指示の有無に関わらず自身で必要な知識を身に着け(インプット),自身で手を動かし(アウトプット),自身で思考しなければならない.このプロセスで重要であるインプット能力の習得を怠ると基礎知識の引き出しや思考力,そこに由来する発想や自信が生まれず,活動における議論や実装,文章執筆で痛い目をみる可能性が高い.というか実際にみた.ボスにボコボコにされた.
研究活動に関わらず,将来IT業界関係者になる可能性が高い未来大生においては今後も生涯学習が求められると思う,これを読んで少しでも心当たりがある方は是非ともインプットする習慣を見に付けてほしい.
インプットの最たる例が「読書」だろう.スマホでググればすぐに情報を得られるようになった今日だが,日頃からスマホに依存している人ほど,集中力や記憶力の低下が見られることが社会問題化している.自身も大いに苦しんでおり,集中力の著しい低下や思考体力の低下に大学生になってから悩まされている.
したがって余計なノイズが排され,目的となる情報が網羅的かつ体系的に記さている媒体を読むことは,集中力を取り戻すこと,思考力・記憶力の養成の観点からもとても重要である.むしろこちらのほうが本質なのかもしれない.
自身はこの休学期間中に読書の習慣化に励んでおり,以下のようなことを心がけながら専門書や資格試験の参考書を読んでいる.
一言一句完璧に読もうとしない.心が折れるので気楽に読む.
一度に一気に読もうとしない.集中力と体力が養成されていないので不可能.
一日数ページでもいいから読む.1%でもいいので地道に積み重ね.その1%を軽率に誇る.
自分はこの機会に基本情報技術者を取得するために,800pの参考書をコツコツと読み切った.
これを書いている今日,実は試験の本番だったのだが,無事に合格点を取ってきた.偉いぞ俺
家や研究室で読まない.公共施設が読書に適した空間であることが多く,知らない第三者の目があるのでだらけにくい.
集中力が切れて横になってしまったり,他のことに手を付けて読書を中断してしまう同志はいないだろうか.まずは部屋から出たほうが良いかもしれない.
読んだらどこかにアウトプットする.例えば試験とかSNSとかブログとか.人に話すのも良いかも
・生活習慣を整える
昼夜逆転を極めている大学生には驚かれるかもしれないが,基本的に大半の人間は朝に起きて夜に眠っている.会社や研究室も一般的には勤務時間/コアタイムは午前中から夕方であり,MTG/ゼミも日中に行われる事が多い.したがってド夜型人間でもこの生活に適応しなければコミュニティに馴染むことができず,大変なことになる.なった.
私は朝早くに起きることがひどく苦手であった.上述の習慣がなかった自分は報復性夜更かしにより,27時くらいまで起きて気絶する生活を続けていたからである.加えて就活や卒業に係る将来の不安で考え事が多くなり,寝ようにも眠れなかったのもある.ゆえに毎回朝イチの研究室行事に参加するために,前夜に徹夜して臨むことが常態化してしまった.ただでさえストレスや不安で負荷がかかっていた脳みそが休まらず,眠い身体をカフェインで無理やり叩き起こし続けたのである.その結果心身は徐々に壊れていってしまい,M2の春から慢性的な不眠症と動悸,次第に強烈な希死念慮に苦しめられ,うつ状態ならびに適応障害となって療養に専念するしかないフェーズに移行してしまった.
これは非常に極端なケースであることは自覚しているが,だからこそ改めて「朝に起きて夜に寝る」ことの大切さを身を以て思い知ったつもりだ.現在は投薬しながらよく寝つつ,生活習慣を整えながら脳機能を回復させるしかない状況ではあるが,8時前後には起きて必ず日光浴をするように心がけており,ついでに推しのVTuberのおはようツイートにリプすることをルーティンとしている.陽の光を浴びるとセロトニンの分泌が促進され,自律神経や体内時計が整いやすくなるので,精神が安定し,よく眠れるようになる.報復性夜更かしもしにくくなり,精神的に病むリスクを大きく減らすことができるはずである.したがって朝に起きて夜に寝よう.マジで.いいことひとつもないって.
朝起きられるようになるには,陽の光に照らされてセロトニンの分泌を促し,体内時計を整えることが重要であると感じる.しかし自力で起きてカーテンを開けられるのであれば誰もが朝型人間になれるはずである.ならば受動的に太陽光に当たることができる状況を作れば良いのではないだろうか.
https://www.switchbot.jp/products/switchbot-curtain3?srsltid=AfmBOor4Rbb48qC0_cJkTb6WjOJx0OP8i4ZeSGWoO5nop_WfjX4-W53o https://i.gyazo.com/fc7ea6078a49b71fba3903fd15a74bbc.webp
私はSwitchBot カーテン3をポチり,カーテンが決まった時間に自動的に開閉するようにした.すると朝起きられなかった自分でも,強制的に眩しい陽の光に網膜を焼かれるようになり,明らかに起きやすくなった.少々値は張るが,個人的には生活習慣を改善するにあたりとても良い買い物をしたと思っている.ぜひお試しあれ. まとめ
非常に長くなったのでまとめる.
少しずつ,コツコツとやり続ける習慣を身につける.モチベーション依存で駆動するのではなく,日頃のルーティンとして身体が勝手に動き始めるようにすると好ましい.
インプットする習慣を身につける.ちょっとずつでもいいから気楽に本を読もう.
メンタルブレイクするリスクを減らすために,マジョリティの活動に適応するために朝起きて夜に寝よう.可能な限り陽の光を浴びよう.
以上の3つをお伝えしたかった.大半の人間にとって当たり前かつ分かりきっていたことかもしれないが,参考になれば幸いである.
が,何よりも自分自身が冷静になってこの記事を書けたことに大きな意味があると思う.今更だとしても冷静に自覚し,どうすれば良いかを自分なりに整理できたことに意義があると思う.私は適応障害が快復したら来春に復学することを検討しており,再度研究と苦手な指導教員に向き合うつもりだ.(要件単位はほぼ取得済みであり,中間発表と修論提出を果たせば卒業できるため,あと少しなのである・・・)
ここで経験した失敗を糧に,次は心身を破壊せずにやらなければならないことを遂行する戦略を堅実に立てていきたい.