東京リベンジャーズ
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1巻のみ読了
ヤンキーものの正当な、流行りのタイムリープ、転生にのっけたリミックス......と思われがちだけど、不良ヤンキーものとタイムリープって代紋TAKE2とかあるので、そこでは実は新鮮味ないはずだし、実際ない。 リミックスというか、どちらかといえば落語。落語で同じ演目やっても、マクラの置き方で話が新鮮になる、ニュアンスがガラっと変わる。あれと同じ感じですよね。具体的には結局女性の描き方というか、シモの描き方。 主人公タケミチは生涯唯一の彼女だった橘ひなたの弟、直人と握手をすればタイムリープが解除できる設定なので、「元の世界に戻る」ために強制的に過去にタイムトラベルしているわけでもない。
自分の人生がパッとしないので「やりなおし」をしたいわけでもない(それならそのままタイムリープ後に戻ってくる必要がない)。目的は「運命を変えてひなたを死なせない」。
じゃあ、そのひなたをなぜ死なせないのかっていうと、まったく義理がない。ただ単に一度、プラトニックにつきあっただけ。
なんならタケミチと別れたあと、別の男とつきあってるだろうし、そこでの幸せな生活を守るために自分が命を張ってるのと同じわけで。「でも......アイツは死んじゃダメだ」泣きながらのタケミチのこのセリフにグッときたなあ......。これこそ、現代にも救うべき「ヤンキー魂」なわけですよね。1巻のこの「枕」でその後の話が全然変わってくると思う。
ヤンキー漫画は今読むとどうしても、シモの話が下品すぎたり、女性扱いがレベル低すぎたりで読むに耐えなくなりそうなんだが、この、物語をドライブさせるベースの動機が、信じたくなるファンタジーだからこそ、ヤンキーとタイムリープという2つの無茶苦茶を同時に走らせても、現代読者はすんなり世界に入れるんだと思う。
そして、物語は「闇堕ちしていくマイキー」と「それを止めたいタケミチ」の葛藤で最後カタルシスを迎えるはずなのだが、ちょっと集めたいなと思って最新刊のレビューを見たら「だらだら引き伸ばすな」という読者が多かったのを見て、あ、こりゃダメだと(笑)。読まずに集めるのを断念した。1巻だけ見るとむちゃくちゃいい漫画なんだけどなー。