改良
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こ、れ、は......おもろいwwww
BUCK-TICKは櫻井あっちゃんの息子さん、これは第一作なのかな。
まあ、とにかく爆笑っすわ。「女になりたいのではない、「私」でありたい――ゆるやかな絶望を生きる男が人生で唯一望んだのは、美しくなることだった。平成生まれ初の芥川賞作家、鮮烈のデビュー作。第56回文藝賞受賞作。」とのことだけど、主人公はトランスジェンダーなのではなく、トランスヴェスタイト。主要登場人物はすべて美醜で言えば醜な人たちで、語り手=主人公の、誠実なようでいて、とんでもなく失礼な言動が最高!
風俗だのスイミングスクールだのコールセンターだの。どこまでもドメスティックな話なのだが、どこか「欧」を感じるのも魅力的で、バヤシコ、つくね、カオリといったそれぞれの語りの複層性も見事。主人公が、デリヘル風俗店に苦情の電話入れるところで、笑いたまらずKindleを床に落としました。
でも、この皮肉?っていうの。なんだっけ。描写と現実の不一致って何ていうんでしたっけ。喜劇?皮肉?なんかそんなんを、一体どれくらいの日本の読者が理解するんだろ。下手すると、性の自認や複雑なセクシャリティに悩む青春の懊悩を描いた純文学作品、のようなかたーい読み方だけされて終わりそう。みんなー、冗談をー、わーかーれー!!
「まとも」なようでいて、自分のことを「まとも」だと思ってて、でもやたら美醜にしか興味がない、丁寧で慇懃だがどこまでも礼を失した語り手の男が、目に見える人物をいちいちいいちいち「美しくもない女が」とか必ず美醜評価をしていくこのいやらしさ。
二桁の掛け算をして勃起を抑えようとがんばるところなど、素数を数えるプッチ神父のようでもあり、「ミヤベ」だの「山田」だのと呼ばれるがいずれも本名ではなく、語り手の名前は周到に避けられているところ、性的なクライマックスを迎えようとすると、そのテンション、熱量が、そのままスコン!と笑いに転化されるところなど、今たまたま読んでるからというのもあるけれど、プルーストを思い出した。 基本、全編「ツッコミ待ち」なのだが、Amazonレビュー見てると、みんな真面目に読んでいてすげえなと。ひょっとしてこれを笑わずに読めてるの? まじで?やばいね★
ちょっともう、1ページ1ページ、1行1行、笑いで先に進まないんだけど、これをみんなどうやって本当に「純文学」としてしかめっつらして読んでんだwww
この著者は全作読もう。とんでもない才能だ。
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遠野遥、めっちゃ好き。でも、その後全部読んだけど、正直、この一作目が一番おもしろいのだよな。