戦後民主主義
パンス:戦後日本の文化や政治において、戦後民主主義的なものをアップデートするか、もしくはそれを批判して次のものをつくろうかみたいな問いが、保守/革新双方から出ていたってところがすごく重要で、僕は「日本のサブカルチャー」はそういった環境から出てきたものだと考えています。
笠井潔さんをまた引用しますが、外山恒一さんを聞き手に迎えた、すが秀実さんとの対談本『対論 1968』のなかで、当時、否定すべき戦後民主主義というのはどう捉えられていたのかという質問に対する答えとして「“まあまあ、話せばわかるよ”的な、敵対性を隠蔽し消去するような規範が大学社会から岩波・朝日的な進歩論壇にまで瀰漫していたわけです。そもそもは日教組的な戦後教育の理念かもしれないけど。当初はそういう不徹底性や欺瞞性を”戦後民主主義”と呼んで攻撃してたように思うけどね」と仰られています。