友達の多さは脳と相関する
友だちが多い人の脳は、 社会的スキルに関係すると言われる部位、 すなわち前頭前皮質(脳の約四分の一を占める)と側頭葉(耳の横あたり)、そして耳の後ろで側頭葉が頭頂葉と接合する側頭頭頂接合部(略して TP J)が大きかったのだ (図2)。 友だちが多い人は、これらの領域すべてが大きかったが、 その相関関係が特に顕著だったのが前頭前皮質の領域だった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 68ページ 金井良太が中心となった脳スキャンの研究では、 友だち (彼らはフェイスブックの友だちの数を利用した) が少ない人は脳が小さいことが確認された。 さらに彼は、自分は孤独だと思っている人と、孤独ではないと思っている人の脳の構造は違うのではないかと考え、 それも調べた。その結果、 孤独な人は上側頭溝いわゆる STS(脳の側面、耳の横にある側頭葉の一部) の灰白質が少ないことがわかった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 71ページ