友達づきあいはとにかく時間を食う
このことがいかに重要かを示す一番のエビデンスは、 友情の心理学の第一人者、 ジェフリー・ホールの研究だろう。大学生たちが友だちをつくる様子を観察して友だちづくりにかかる時間を調べたホールは、たんなる知り合いから時々顔を合わせる友だちになるまでには、 出会ってから約四五時間を一緒に過ごす必要があると突きとめた。また、九週間で一緒に過ごした時間が三〇時間だけ (一日に一五分相当) なら、その二人は知り合いのままだった。 時々顔を合わせる友だちから大切な友だちになるには、 さらに三ヵ月間で五〇時間を一緒に過ごすことが必要で、そこから親友になるにはさらに一〇〇時間が必要だった。 実際のところ、 友だちのなかでも最も親密なカテゴリーに入るためには、かなりの長い期間、一日二時間近くを毎日その友だちと過ごす必要があった。 そう、友だちづきあいはとにかく時間を食うのだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 184ページ