会員制
会員制寿司店と聞くと、何だか排他的で偉そうな感じがしますが、そんなことはありません。威張っている訳ではなく、お店側にもそうせざるを得ない合理的な理由があるのです。
まず、寿司店は簡単に席数が増やせません。職人さんが1人で握る場合、カウンターだけで8人ぐらいが限界です。1日2回転したとしても、月に20営業日として320人しか入れません。1組2名とすれば、毎月食べに来ることができる人数は、160組ということです。常連だけですぐに埋まってしまう人数です。 来店客を広げすぎると、次の予約が1年後といった状態になってしまいます。
また、面識のない新規のお客さんの場合、ドタキャンリスクがあります。 お寿司は、原価率が非常に高く、1組キャンセルになるだけで数万円の仕入れた材料の損失になります。
顔見知りの常連客であれば、ドタキャンリスクはありません。そんなことをすれば、次から予約が取れなくなるからです。 さらに、一般に予約ができるように公開してしまうと、ほとんど予約が取れないにもかかわらず、予約の問い合わせが殺到し、毎回謝りながらお断りしなければなりません。その対応をするだけでも、小さなお店では大きな負担になります。
数カ月先まで満席の予約困難店に「今晩これから入れますか?」と能天気な電話をかけてくる人は、結構多いのです(私も良くやっていました)。
ただし常連ばかりだと問題も発生する(新しい動きがないので客から飽きられやすいなど)