人と会わないと認知能力が下がり人と合わなくなる悪循環
一章でも述べたように社会的孤立の度合いが高まると、 それは私たちの心身の健康に深刻な悪影響を及ぼす。 そしてその悪影響は肉体だけでなく私たちの認知能力にもおよび、 そこから負のスパイラルが生まれていく。 会う人が少なくなるうちに認知能力が衰え、 その結果、 さらに人と会わなくなる。 なぜなら会話をしていても、もう面白い話を提供できなくなるからだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー ・402ページ マリア・ヴィクトリア・ズンズネグゥイのグループはマドリード郊外の自治体、 レガネスに住む六五歳以上の一五〇〇人にインタビューし、 四年間にわたって彼らを追跡調査した。 その結果、 認知能力の低下リスクが最も高かったのは、社会的つながりが少ない人、 社交活動が少ない人、 そして社会参加が足りない人だった。 いっぽう、認知能力の低下リスクが最も低かったのは、親戚と定期的に対面で会っている人、 より広いコミュニティと頻繁に関わっている人だった。 女性の場合、友人との定期的な交流が最も認知力を守るようだったが、男性には同様の傾向は見られなかった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー・402ページ