マンスプレイニング
https://gyazo.com/debb5e6df47bf8c131b06eb4f9758c5d
以前、年輩の男性から典型的なマンスプレイニングを受けた。「佐藤さんは知らないでしょうけど、最近若手のマルクス研究者に佐々木隆治さんという人がいてね。彼の本を読みなさい」。その人は私の夫です、と言おうかと思ったが、なんとなく言わずに「ご教示ありがとうございます」とご返事しておいた。 自然なマンスプというか、男性でそれなりの年配のおじさまって、もう最初から「諦められてる」ので、女性のほうも超適当で「えー、ほんとですかあー?」みたいなリアクションしかしなくなる、もしくは完全に事務的対応になってしまうため、「女性ってそういうもの」というバイアスがさらに強化され、強化された上で確証バイアスってなってんだろうな。
自然にしてると「そうなる」ので、積極的に学習して、別の対応の仕方や「顔」をつくっておかないと、こういうのって根本の話なので、もう二度と接点なくなると思う。
マンスプって、相手が女性で、なぜか明らかに自分のほうが話に詳しいと前提しているか、もしくは、自分が知らないことを指摘された場合にそれを認められないことなので「自分のほうが明らかに物を知らない」と認められるジャンルを持ってるのは、この歳になると「強い」と思うようになった。
たとえば、自分は哲学を専攻していたり、それなりに本を読んだり、ロックが好きだったりするので、たとえばビートルズについて、さすがに無茶苦茶言ってる人がいると「いや、ちょっと......」ってなるし、持論の展開したくなるときもそりゃあるよっていう。
だけど、そこに間違いがあったり、相手のほうが実は詳しかったりすると、そこまでいけば「間違いを認める」がずいぶんしにくくなるのは事実。
だけど、最初から自分のほうが圧倒的に知らなすぎてどうしようもない、みたいなジャンルだと、そもそも「知ってるし!」も「お前は知らないだろうが」もないので、素直に「ご教授願います」モードになれる。
そして、そんなジャンルを一つか二つ持っておけば「そういう立ち位置」での接し方もインストールできるので、他の場合でも、自分のマンスプに気付きやすいと思う。
この歳になって思うのは「物は知ってるより知らないほうが素直に人に聞ける要素が多くてめちゃ得をする」ってこと。