ダンバー数
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150人程度と言われている。
ここまでの三章で、いくつか重要なことがわかった。 第一に、 有意義なつながりのある友だちの数は全体としては驚くほど少なく、そこに個人や文化による差はほとんどないということ。 第二に、 私たちの社会は一連の同心円または階層によって高度に構造化されており、層のサイズも、接触の頻度、感情的な近さ、支援する気持ちの度合いもそれぞれの層で決まっているということ。 この階層は五人の層、一五人の層、一五〇人の層とあるが、その外側にさらに三層、 ずっとつながりの弱い層が存在し、 この三層の人々に対しては、利他的に行動したいという私たちの気持ちが大きく変わる。 つまり、助けてあげたいという気持ちが格段に低くなり、もし助けるとしてもその関係は完全に互恵的なものになる。 今回は助けるから、 次の時には助けてくださいね、といった関係だ。 いっぽう、一五〇人の層に属する友だちを助けるとき、 私たちは必ずしもお返しを期待しないし(もちろん、お返しがあればうれしいが)、 親しい友だちであればお返しなどまったく期待しない。 第三は、私たちのネットワークの構造には親族が重要な意味を持っているということ。 これは伝統的な文化圏ほどには家族を重視しなくなった西側諸国であっても変わらない。 家族なんて、と私たちは時に口にするが、それでもやはり家族は依然として非常に重要な存在なのだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー • 110ページ シンパシー・グループ内には五人ほどで構成されるさらに小さな集団があることもわかった。 この小集団はサポートや支援を惜しみなく与えてくれる人たちなので、私たちはこれを、 サポートを提供してくれる小集団、 「サポート・クリーク」と名づけた。 どうやら社会ネットワークには、それまで考えられていたよりずっと多くの層があるらしかった。 また、その構造は驚くほど一貫しており、すべての人の社会ネットワークが同様のパターンを示しているようだった。 そしてこれが、私たちを取り巻く一五〇人の友だちの輪が、じつは幾重もの層で構成されていることに気づいたきっかけだった。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 81ページ これらの同心円をもう少し具体的に感じたいなら、それぞれの層を最も親しい友だち (五人) 、 親友(一五人) 、 良好な関係の友だち (五〇人) そしてただの友だち(一五〇人)と言い換えるといいだろう。 なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー 84ページ その後、私とパドレイグ・マッキャロンそしてスザンヌ・シュルツは、霊長類の種全体の平均的な集団サイズの分布を調べ、まったく同様のフラクタルパターンを発見した。 それぞれの集団サイズのピークは、一・五(ほぼ単独で行動する種)、五(主に一雌一雄の種で、一対のつがいとその子ども)、 一五(主にハーレムを形成する種で、典型的にはオス一頭と数頭のメスおよびその子ども)、そして五○ (大きな社会集団で生活し、数頭の大人のオスと大人のメス) だ (霊長類は、一五〇頭の大集団は作らないため、データにこの層はなかった)。こでもやはり、換算係数はあの魔法の数字、 三だ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー ・ 93ページ 接触する頻度は、 相手がどの層の友だちかで劇的に違う。 平均的な接触時間にその層の人数を掛けると、私たちが社交時間のほぼ四〇パーセントを一番内側の層の五人に割いていることがわかる。 さらに二〇パーセントをそのすぐ外側にある一五人の層の残りの一〇人に割いている。 つまり私たちは、社交に費やす時間の六〇パーセントを、この一五人に割いているのだ。 あとの一三五人については、 残った時間でやりくりするしかないため、人にかけられる時間は社交時間の○・三パーセントを下回る。 なんと、一日当たり三〇秒という短さだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー・99ページ 接触する頻度は、 相手がどの層の友だちかで劇的に違う。 平均的な接触時間にその層の人数を掛けると、私たちが社交時間のほぼ四〇パーセントを一番内側の層の五人に割いていることがわかる。 さらに二〇パーセントをそのすぐ外側にある一五人の層の残りの一〇人に割いている。 つまり私たちは、 社交に費やす時間の六〇パーセントを、この一五人に割いているのだ。 あとの一三五人については、 残った時間でやりくりするしかないため、人にかけられる時間は社交時間の〇・三パーセントを下回る。 なんと、一日当たり三〇秒という短さだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー・99ページ ダンバー数のことを聞いた人が口にする最も多いコメントの一つが 「そんなはずありませんよ、だって私のフェイスブックには五〇〇人...... 一〇〇〇人...... 二〇〇〇人の友だちがいますから」 というものだ。 それはそうだろう。 フェイスブックはめざましい成長を遂げており、 友だちの友だちの...... その友だちまでをユーザーにリコメンドする彼らの戦略のおかげで、 膨大な数の 「友だち」をオンラインで獲得してきた人もたくさんいる。だがここで言いたいのは、 じゃあそのうちの何人が本当の友だちなのかということだ。なぜ私たちは友だちをつくるのか ロビン・ダンバー ・ 41ページ