カニカマ
カニカマは、一九七三年に
株式会社スギヨ
が最初に作ったといわれる。当時、中華料理の素材であるクラゲの輸入が停止し、 その代替品を求められた際に偶然、 カニに似たものが生み出されたことで、
カニ
の代替品として開発された(7)。 開発者はカニカマ製造の試行錯誤を重ねた結果、 「繊維の太さと、繊維と魚肉すり身との接着の程度が最も重要な点である」としている。 製品化にあたって、すり身調合や切り身を接着させる機械設備の進歩、カニフレーバーの開発などの基盤技術の整備や発展がカニカマ開発を推し進めた。 後に、 他社も追随し、 カニカマの市場は日本国内だけなく世界各地で広がり、 安値に食べられるサラダのトッピングなど様々に利用されている。
現代思想2022年6月号 特集=肉食主義を考える——ヴィーガニズム・培養肉・動物の権利…人間-動物関係を再考する
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「肉を食べる/食べない」 のこれまでとこれから “新しい肉" の受容とおいしさ
石川伸一
121ページ