しょうがない
そして、そう思う本蔵は、「よかれ」と思って自分のしたことが、結果としては不幸をもたらしてしまっても、主君に仕える武士のやり方としては、間違ったことではないと思っている。間違ってはないから、由良助も理解了解してくれると思っているーーだから、「自分が死ねば娘は結婚出来るはず」と考える。自分のしたことは正しい。しかし、自分が死ぬことは、《しょう事なし》なのである。だから本蔵は、由良助が高師直へ対して復讐をするだろうことを、疑ってはいない。それが、《しょう事なし》ではあっても、後に残された塩谷判官の家臣の長の、やるべき正しいことだからである。浄瑠璃を読もう / 橋本治 No.1320 日本の言葉で好きな言葉は?の質問に「shoganaiよ」と答えてるオーストラリア人(だったと思う)の映像を以前見たが、日本と言えば「しょうがない」。結構定着してんじゃないか。キングクリムゾンもまさにshoganaiって曲歌ってたしな。