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年森瑛(としもりあきら)
かけがえのない他人同士
これなあ......。どう評価するかなんだけど、読んだ感想率直にいって、前半つまんない。全編通して読みにくい!
評論家、東浩紀なんかも含めて絶賛してるみたいなんだけど「あー」ってわかるノリ。主人公は生理の血がイヤで、食べるのをやめて生理をとめてる。で、教育実習に来ていた女の先生と「付き合う」ことになるのだが、主人公が求めていたのは「かけがえのない特別」な友愛関係なのに、その先生のほうは恋愛パートナーで......。
セクシャルマイノリティやエスニシティへの差別の問題が文学上で糾弾されること、問題として捉えられることは悪いことじゃないけれど、そうすると「個」をつぶしちゃいますよね〜、違いを認めてるはずが「同じ」になっちゃいますよねー、それって文学ですか?もっと「個」を扱うべきなんじゃないですかね!ってテーマなのはわかるし、物語最後で教育実習の先生と主人公との間にあらたな関係がしっかりと芽吹いていくところ、まだ若い、ティーンの主人公の成長がしっかりと感じられるところには好感も持ったものの、なんていうか、その、よくいえばバランスがとれている、細かい違いを誠実に見ていくとも言えるが、悪く言えば右にも左にもどちらの評論家先生にも好かれそうなスタイルに、どこか引っ掛かりを覚えるのも事実。
たとえば教育実習の先生は、ツイッターでLGBTQの権利について声高に叫びながら、主人公の写真を「いとしのハニー:heartbeat:」みたいにアップしまくっていること、孤独でもなんでもなくて仲間たちの間で生きてますよねえ.....って感じで揶揄してる感じなのもちょっとなあ.....。
生理の血を止めてるのも、周りはちっともその理由を理解してくれない=運動家や啓発家は個人を理解してくれないんだよなあってあてつけとか、個を大事にしてると言えば聞こえはいいけれど、社会運動や啓発なんてケッ!だよね?ってところが「ああ、こういうところが東あたりにウケるんだろうな」っていう。
他方で学校の先生が韓国を侮蔑する発言をした瞬間に、女子校の生徒たちが一気にドンビキする描写などもあって......。
ラストはよかったです。テーマも少し変形させてくれれば好きな作家になるかも。でも、今はとにかく不必要に読みにくく、「読む快楽」を感じにくい。点数つけるなら7点(10点満点)って感じです。