スマホないほうが世界が広がる
先日、聞いた話が大変興味深かった。その人は親が厳しくて「高校生になってもスマホを持たせてもらえなかった」のだという。「友達の話に入れなくて辛かった」と言っていたのだが、その結果、どうなったかというと「仕方ないので近所のTSUTAYAに行っていろいろCDを借りてきてデータ入れて聴いてた。ピンクフロイドとかデヴィッド・ボウイとか」「気になった映画を借りてみてた」などと言っていて「ほほう」となった。 普通スマホあったほうが情報もたくさん知ることができるし、カルチャーにも強くなりそうな気がする。
でも、実際にはスマホで探索する世界はSNSとチャットアプリと動画サイトだけになる。そうなるとSNS上で自分と近しい人のおすすめとかしか見ない。結果、「自分と同じごくごく平均的な高校生」の知ってることしか知らない感じになる。
インターネットの世界は検索ワードを持っていれば、あれもこれも調べられて便利なのだが、検索ワードをそもそも知らないと同じ世界をぐるぐるとしてしまう。SNSも既に世界が広がっている人なら、いろんなきっかけでいろんな人とつながれるが、まだ世界がそこまで広くない年代だと、これまた同じ世界に気づかないうちに閉じ込められてしまう。(みんなボカロを聞いてるがボカロしか聞かないような世界。それも悪くないけれど) スマホを持ってなかったおかげで、デヴィッド・ボウイに最短に近い時間でたどりついてるの、おもしろいなって思った。
SNSでは情報を結構接種できるような気がしてるけど、実際にはそうでもないのでは。その時間で孤独に、自分の興味をつきつめたほうが尖っていくし、世界も広がるんじゃないか。