アミ小さな宇宙人
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「まだ現実に起きていない先のことをあれこれ気に病むのではなく、今起きていることにあたることの方が賢明なことだよ」
「それじゃ、きみだって天才だよ・・・掛け算を知らない人から見ればね。全て相対的な問題だよ。ずっとジャングルに住んでいる人たちにとっては、トランジスターラジオは全く奇跡に等しいからね」
「ほくたちは歩いている。きみは歩くことができるんだ」
「ああ。でも当たり前のことだよ。それがどうかしたの?」
「体が不自由になった人が数ヶ月、数年のリハビリのおかげで、また元のように歩けるようになったとしたら、彼らにとっては歩けると言うことが
何か本当に特別なことで、感謝せずにはいられないことに違いない。それに引き換え、君は少しもそれに気が付かずに歩いている。歩くことに何の意味も見出せないでいる・・・」
「あの時は目覚めていたんだよ!今は催眠状態で眠っている。人生には少しも素晴らしいことがなく、危険なことばかりでいっぱいだと思い込んでいる。潮騒も耳に入らなければ夜の香りも感じない。歩いていることも、本当に”見る”とはどう言うことなのかの認識もない。呼吸することも楽しまない。君は、今は催眠状態にいるんだよ。否定的な催眠状態だ。ちょうど戦争を何か”栄光”のように感じている人とか、自分の考えに同意しない人をみな敵だとみなしている人とが、制服を着ているだけで、何だか偉くなったように感じている人と同じようにね。これらの人たちはみな、催眠状態だ。催眠術にかかっていて、深く眠っているんだ。
もし、人生やその瞬間が美しいと感じ始めたとしたら、その人は目覚め始めているんだ。目覚めている人は、人生は、素晴らしい天国であることを知っていて、瞬間、瞬間を満喫することができる・・・でもあまり多くのことを未開文明に要求するのはよそう・・・自殺する人もいる。なんてバカなことか気づいたかい。自殺するなんて!」
広い宇宙の中に小さく青く光る地球。
懐かしさが込み上げてきたよ。
あの小さい星の中に僕らの大切なものがいっぱいいっぱい詰まってるんだ・・・。
目を大きく開いて周囲をよく見てご覧。この今という、大切な瞬間を無駄にしてはダメだよ・・・
楽しむためには、楽しんでいるということに気がつくことが必要だ。
「好きということは一つの愛の形だ。愛がなければ楽しみもない。意識がなくても同じことだ。思考は人間の持っている可能性の中で、3番目に位置する。第一位は愛が占める・・・われわれは全てを愛するように心がけている。愛を持って生きる方が、ずっと楽しく生きられるんだよ。君は月が好きでなかったね。でも、僕は好きだ。だから、君より余計に楽しんでいるし、より幸せなんだよ」
「もし、思考が愛のために使われている時、愛のために奉仕している時には、たいくつというのはあり得ないんだよ」
「それじゃ、組織の基本は愛なの?・・・・」
人にエゴがたくさん育っていると、他人よりも自分がずっと重要だと考えるようになり、人を軽蔑したり、傷つけたり、他人の人生を支配する権利まであるように思い込んでくる。エゴは愛が育つさいの大きな障害になっているから、他人に対するいつくしみ、思いやり、あわれみ、やさしさ、愛情などを感じさせにくくするんだよ。
2000/08/15 初版