自動化向きのタスクとエージェント向きのタスクの違い
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上図を見て、疑問になったことがあった。
自動化に向いている仕事とエージェントが活躍する仕事の違いは、インタラクションだろうかと。
この横軸は正しいのかどうか?
考察を加えてみる。
どんな仕事をエージェント化しても嬉しくないか?
例えば、メールの返信AIを作成したとする。
ただ単にメールの返信を作成し、送信の下書きを作成し、問題なければ送信までやってくれるとする。
これは、AIによる自動化だろうか?それともエージェントだろうか?
インタラクションは、せいぜい2, 3回(返信文章チェック、送信許可を出す)になるだろう。
この仕事は、「AIによる自動化が行われた」といえると思う。
メール返信以外にも、翻訳(DeepL)や要約タスクなども、ここに分類されるだろう。
では、SEOブログ記事執筆はどうだろう?
ユーザーのキーワードをもとに、タイトル、本文、サムネイル画像などを作成し、Wordpressへアップロードしてくれる。
確認すべきことは多い。タイトル案や本文の内容、画像、メタディスクリプション、アップロード許可 etc...。
場合によっては10回近くなるかもしれない。インタラクションが多いわけだ。
このタスクをAIが全てこなすのであれば、「AIエージェントによってタスクが代行された」といえると思う。
インタラクションが多いとは?
結論から言うと、要件定義がしっかりされてなく、可能性空間が広いOpen Endednessが高いタスクでは、インタラクションが必然的に多くなる。
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つまりは、人間によるチェックを複数回繰り返すことによって、出力空間を限定して成果物を正しい方向性へ導くわけだ
上の、メールの返信や要約/翻訳タスク、DALL-E3などの画像生成は、期待成果が明瞭でOpen Endednessが低いタスク。
そのためインタラクションが低く、これらのタスクをAIが最後までやった時、それを人は、自動化したと呼ぶのだろう。
一方で、Open Endednessが高い、正解が一意に決まらず、要件定義が難しい(できない)タスク
ブログ作成、営業サポート(分析、資料作成、日程調整、担当者割り振り)、インスタ投稿など
業務を完結するまでに通常複数のステップが必要であり、熟練し知識が必要になる。
ココナラやCrowdWorksなどの外注プラットフォームで、運用代行業として母数が多いようなタスク
このようなタスクを、AIが最後までやった時、それを人は、エージェントが代わりにやってくれたんだと言うのだろう。
可能性空間が狭くても、複数のステップが必要なたぐいのタスクもある。
従来NoCodeやiPaaSなどでAPI連携をして、自動化してたようなタスク。
Slack -> Notion -> SpreadSheet -> ダッシュボード連携など
可能性空間が狭くて、業務の流れが完璧に決まっており、迷うような心配がないタスク
やはりこれは自動化と呼ぶべきで、エージェントとは呼ばない。
つまりは、複数のステップが必要な複雑なタスクであれば、エージェント化とは呼ばない。
そこは可能性空間が広く、人間による思考や判断が必要で、そのため完全な自動化が難しかったような業務
人間による思考が必要だからこそ、インタラクションが多くなる。
まとめ
インタラクションが多い/少ないは、自動化とエージェントを分ける上で、秀逸な分類と再認識した。
あえて別の表現を使うなら、可能性空間が広い・生産的/創造的のような形か。
逆にわかりずらいかもしれないので、インタラクションを使わせていただく。