ワンヘルス
One Health
菅原えりさ 2016. One Health. ヘルスケアコラム. 東京医療保健大学.
One Healthとは、「人、動物、環境(生態系)の健康は相互に関連していて一つである」という考え方です。この理念が生まれたのは、1998年マレーシアで発生した二パウイルス感染症(豚からヒトへの感染が確認された感染症)をきっかけに、野生動物保護や獣医学領域の専門家が立ちあがり、2004年に米国ニューヨーク州で開催された野生生物保護学会が「One World One Health®」をテーマにしたことが端緒だそうです。この学会では12項目からなる「マンハッタン原則」という行動計画が提言されました。それは、人、動物、環境それぞれの健康に責任を持つ関係者が分野(国際連合食料農業機関、国際獣疫事務局、世界保健機関、世界銀行、国際連合児童基金・・)を超えて協力関係を構築し健康を推進していくという壮大な構想でした。わが国も2013年に日本医師会と日本獣医師会がOne Healthの理念に基づき学術協定推進の覚書を締結しました。...