Dencun
合意形成層の「Deneb」と実行層の「Cancun」という2つのアップグレードを統合したもので、「Dencun(デンクン)」と呼ばれる。 Dencunは残り2つのテストネット、SepoliaとHoleskyで試験される予定で、それぞれのアップグレード時期は1月30日と2月7日頃に設定されている。一部報道によれば、メインネットでの実装は早ければ3月に行われる見込みだ。 この新機能はレイヤー2(L2)からレイヤー1(L1)へのデータ転送コストを削減し、結果としてレイヤー2のユーザーにとっての取引手数料を大幅に引き下げることが期待されている。
米Coinbaseの23年末のレポートによると、プロト・ダンクシャーディングが実装されれば、オプティミズム(OP)やアービトラム(ARB)などのL2スケーリングソリューションの取引手数料を2-10倍低減すると試算されている。
ロールアップ技術を採用するL2ソリューションを利用して、イーサリアムブロックに低コストでデータを追加する新たな方法を導入する。
ブロックチェーンデータを複数の部分に分割し、それぞれを処理するシャーディング技術への移行の初期段階と位置づけられている。
一時的なデータパケット(データブロブ)をブロックに添付することで大量のデータを保持することができる
データブロブは一時的なストレージなので、ブロックチェーンの永続的なストレージを圧迫しない
Dencun実装後に計画されている「ダンクシャーディング」のステージでは、ブロブが最大64個まで拡張される予定。
イーサリアムのブロックチェーンでは現在、取引手数料のうちベースフィー(基本手数料)がバーンされている。L2で取引手数料が下がれば基本手数料が低位で安定し、バーンの数量が減少して循環供給量が増加していくという見立てだ。