アメイジング・グレイス
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2019/11/06完走
点数:87点
総評
すごくよく出来ていた。よく出来ていただけに細かい部分の詰めの甘さが残念で、ほんの少し詰めるだけで90点超えは間違い無かったと思う。
とは言っても自分はシナリオゲーについてはやや厳し目の点数を付ける傾向にあるので、この点数はかなり高い。
シナリオゲーなのに、読みやすくテンポが良い
シナリオゲーは大体冗長になりがちで中だるみしがちだが、このゲームではそれが無かった。文章読みやすく、シナリオも分かりやすいのでかなりサクサクと進めることができた。
一方で「テンポが良すぎる」所もあり、シナリオゲー特有の醍醐味でもある「クッソ長いストーリーを読み込んだ後に訪れる絶大なカタルシス」のような物が若干失われている気もした。
どちらが良いかと言われるとなんとも言えないが、ある意味こちらのほうが現代的・若者向けではあるなと思う。
伏線張りまくりの謎解きゲー
分かりやすいものから分かりにくいものまでとにかく伏線が張られまくるため、プレイ中は考察しながら読み進めていくのが楽しい。
また徐々に核心に迫っていく緊張感のある描写が秀悦だった。
一方で種明かしされた後細かい矛盾点が気になってしまう所も多く、シナリオゲーにありがちな「プレイ中は楽しいけど終わってみると微妙な気持ちになる」問題を抱えてもいる。
それでもプレイ中のワクワク・ゾクゾク感はこれまでプレイしてきたゲームの中でも随一だった。
是非ネタバレ無しで初見でプレイしてほしい。
このゲームは特にネタバレ注意なので、各ルート感想は下の方にスクロールして見てください
ルート感想
それぞれ各ルートを終えた後に思ったことを書いただけで、それぞれが各ルートの感想に対応している訳ではない
(後のルートの感想ではそれまでのシナリオも振り返って書いている)
共通
なんとなく古き良きエロゲ臭を感じる、王道(?)なタイムリープもの。
テキストが読みやすく、テンポが良い。ミステリーの謎解き的な要素が多いが、シナリオがわかりやすく纏まっていて読み疲れない。
シナリオゲーはよく話が冗長になってダレる傾向があるが、そんなこともなくサクサク進めることができた。
一方で、特にタイムリープ後に話が大胆に省略されるため、没入感がやや失われてしまっている所も感じた。
また、話が重くなりすぎないようにという配慮からなのか、切羽詰まった状況でもキャラクターから悲壮感があまり伝わって来ず、ここでも没入感が失われている気がした。
ご都合主義的な所もやや見受けられたが、まあ許せる範囲内。
ルート分岐の設計が凝っていて、よく出来たシナリオ構成だなと感心した。単なるよくありのタイムリープもので終わらせないのは評価ポイント。
キリエBAD
嫉妬いい~~~!!!
正直最初の印象は最悪なキャラだったけどここまで好きになっちゃうとは思わなかった…
キャラの魅力を描きつつもしっかりシナリオを補強する構成になっていて面白かった。
最後めっちゃ中途半端な所で終わったしEDも流れなかったのでBADエンド?
謎が増えただけで終わってしまい、続きが気になる。
サクヤBAD
あまり話が進展してないような気がした。サクヤと結ばれるのかと思えばそうでもなく、選択肢どちらを選んでも結ばれることなくBAD直通…
若干このルートは話の構成が雑な気がした。特に脱出まで持っていくあたりが…
コトハBAD
かなり物語の真相に近づいてきたような感じ。ゾワゾワ感がすごい…
シナリオは面白かったが、コトハ先輩が主人公に惹かれる理由が不明瞭だった。
サクヤTRUE
シナリオゲー特有の後半の怒涛の展開と伏線回収。多少の強引さは感じるものの大きな破綻無く話が纏まっているので良し。
これまで張り巡らせられてきた伏線が意表を付く形で回収されていくのは見事で、徐々に物語の核心に迫っていくゾワゾワ感は「本物」だった。
細かい世界観設定のボロは挙げればキリがないが、プレイヤーに奇妙な違和感・不信感を覚えさせる雰囲気作りは上手だったと思う。
サクヤが主人公を好きになる理由がやはり不透明でそこだけいまいち納得できなかった。
ユネTRUE
サクヤTRUEのコンパチのような扱い。もう少し差別化がほしかったかも…
読者からすると後から事実を知らされたサクヤよりも最初から一緒にやってきたユネのほうが感情移入しやすいし…
てっきりユネがメインヒロインとばかり思っていたのでサクヤの登場はかなり意外性はあって面白かったけど、後から事実を知らされてもこちら側としてはあんまり感情移入できない(これはこの手のゲームでは割とよくある問題な気もする)。
それこそ「サクヤENDの場合ユネは助からず、ユネENDで初めてオールハッピーな大団円を迎える」…というほうが締りがよく納得感があったかなと思う。
ユネAFTER
メインヒロインは本編には一切えっちシーンが無く全てアフターに詰め込むという割り切った構成。
確かにシナリオの流れ的にもそうせざるを得ないし、それでいいと思う。
内容的にはまあ特に中身も無く、順当に本編で無い分のえっちシーンを賄うためだけの役割を果たしている。
サクヤAFTER
ユネAFTERのコンパチ。それにしてもえっちシーンが良い…!!良かったからこそ、馴れ初めの部分がもっとしっかりしていればより良かったのになあと思った。
キリエAFTER
キリエBADからの続きの話。単なるえっちシーンのアペンドかと思いきや一応本編にも絡むような描写がある。不意打ちでサクヤの話が出てきてジーンときてしまった…
そしてえっちシーンはまさかの足コキ+カウントダウン射精!!めっちゃえっちだった…
コトハAFTER
特に無し!!!