シリアライズの全体例

from DMMF: Serialization

LT;DR

ドメインは DTO を知らないので、ドメインオブジェクトと DTO の相互変換処理は DTO のモジュール内で実装すべき

シリアライザが FP と親和性があるとは限らないので、その場合はラップして使用すると良い

シリアライズは必ず成功するが、デシリアライズは失敗する可能性がある

DTO は境界づけられたコンテキスト間の契約として機能するため、この契約を違反しないように複数バージョンの DTO を管理しなければならない場合もある

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シリアライズの具体例

シリアライズ（JSON -> ドメインオブジェクト）、デシリアライズ（ドメインオブジェクト -> JSON）の具体例を見る

以下の Person を永続化したいとする

code:fsharp

module Domain =

open System

type Person =

{ First: String50

Last: String50

Birthdate: Birthdate }

String50 と Birthdate は制約を持つ単純型

各ステップを実装する前に、単純型を実装する

String50 や Birthdate は直接シリアライズできないので、すべてのフィールドがプリミティブな DTO の型を作成する

code:fsharp

module Dto =

open System

type Person =

{ First: string

Last: string

Birthdate: DateTime }

ヘルパ関数 toDomain と fromDomain の実装

ドメインは DTO を知らないはずなので、Dto モジュール内にドメイン名のサブモジュール（Person）を作成して、そこに実装する

code:fsharp

module Dto =

module Person =

let fromDomain (person: Domain.Person): Dto.Person =

let first = person.First |> String50.value

let last = person.Last |> String50.value

let birthdate = person.Birthdate |> Birthdate.value

{ First = first; Last = last; Birthdate = birthdate }

let toDomain (dto: Dto.Person): Result<Domain.Person, string> =

result {

let! first = dto.First |> String50.create "First"

let! last = dto.Last |> String50.create "Last"

let! birthdate = dto.Birthdate |> Birthdate.create

return { First = first; Last = last; Birthdate = birthdate }

}

fromDomain は常に成功する

toDomain は制約などで失敗する可能性があるので戻り値の型は Result

エラーフローを処理するため、result コンピュテーション式を利用している

コンピュテーション式の導入#66b06bdf75d04f0000b45b37

JSON シリアライザのラッピング

サードパーティ製の JSON や XML のシリアライザは、戻り値が Result でないなど、FP と親和性が無い場合がある

e.g. .NET JSON シリアライズライブラリ（Newtonsoft.Json）

この場合、以下のようにラップすれば良い

code:fsharp

module Json =

open Newtonsoft.Json

let serialize obj =

JsonConvert.SerializeObject obj

let deserialize<'a> str =

try

JsonConvert.DeserializeObject<'a> str

|> Result.Ok

with

| ex -> Result.Error ex

F# に特化したシリアライザとしては、FsPickler や Chiron がある

シリアライズパイプラインの全体

シリアライズパイプラインは、以下のように実装できる

code:fsharp

let jsonFromDomain (person: Domain.Person) =

person

|> Dto.Person.fromDomain

|> Json.serialize

デシリアライズパイプラインは、Json.deserialize と Dto.Person.toDomain が異なるエラー型の Result を返すので、エラー型を合わせる必要がある

共通の選択型を作成し、Result.mapError で型を持ち上げる

Result を生成する関数の連鎖（bind と errorMap、map）#66af6a3a75d04f00006fbafd

code:fsharp

type DtoError =

| ValidationError of string

| DeserialiozationException of exn

let jsonToDomain jsonString : Result<Domain.Person, DtoError> =

result {

let! deserializedValue =

jsonString

|> Json.deserialize

|> Result.mapError DeserialiozationException

let! domainValue =

deserializedValue

|> Dto.Person.toDomain

|> Result.mapError ValidationError

return domainValue

}

複数のエラーを返したい場合は、アプリカティブを適用すると良い

https://fsharpforfunandprofit.com/posts/elevated-world-3/#validation-using-applicative-style

複数バージョンのシリアライズ型を扱う

時間の経過とともに設計は進化する

このとき、ドメインオブジェクトのフィールドの追加・削除、リネームなど変更が必要になる

これにより、DTO 型にも影響が及ぶ可能性がある

DTO は境界づけられたコンテキスト間の契約として機能する

ドメインイベントまたは DTO の定義を変更する場合、影響を受ける他のコンテキストの所有者と協議してから行う必要がある

この契約を違反しないように複数バージョンの DTO を管理しなければならない場合もある