資料の調査方法
一般的な話
辞典・事典(紙媒体のものは図書館の参考図書室にある。時間のあるときに出かけてどんな辞典・事典があるか、棚を眺めたり、手にとってためしに思いついた項目を引くなりして、馴染んでおくといい。):國學院大學図書館、住んでる地域の公共図書館など
神道・宗教関係:
神道について基本的なことを知りたい
『神道事典』弘文堂:神道文化学部生は、手元に持っていることになっている。
『神道史大辞典』吉川弘文館
『国史大辞典』と内容が同じ項目も多いけど、こちらは、ときどき新しい研究成果にしたがって書き直してあったり、『国史大辞典』にない項目も追加してあったりするので、神道関係はこちらを『国史大辞典』より先に調べるとよい。
『神道大辞典』平凡社(復刻:臨川書店):戦前の研究成果(充実している)を知ることができる。
新宗教について知りたい
『新宗教事典』弘文堂
『新宗教教団・人物事典』弘文堂: かなりの数がカバーされている。
宗教学・宗教文化について知りたい
『宗教学文献事典』弘文堂
『現代宗教事典』弘文堂
『日本民俗宗教事典』東京堂出版
『宗教学事典』丸善
関連分野
社会学
『新社会学辞典』有斐閣、1993年:基本事項の説明が堅実。
『社会学文献事典』弘文堂、1998年(縮刷版、2014年)
『社会学事典』丸善出版、2010年:日本社会学会の委員会が編集
『現代社会学事典』弘文堂、2012年、など
民俗学
『日本民俗大辞典』吉川弘文館、1999・2000年
『民俗学事典』丸善出版、2014年
文化人類学
『文化人類学事典』弘文堂、1987年(縮刷版、1994年)
『文化人類学事典』丸善出版、2009年
国語・日本語関係:
『日本国語大辞典』第2版(業界用語で「にっこく」):
学内・学外からはWebを通じて利用できる(図書館からのメールを参照)。
もちろん紙の本として図書館にある。
漢語・漢字:
理想的には『諸橋大漢和辞典』を引く。
ただ、まず小ぶりな辞典で、という場合は例えば『漢辞海』とか『漢語林』とか適宜見てみる。複数比べてみると、いろいろわかる。
歴史関係:
(やや古いところもあるが)『国史大辞典』(業界用語で「こくし」):「にっこく」と同じくWebで使える。
『国史大辞典』をもとに分野別に編集・更新した辞典がある。
『神道史大辞典』(前掲)
『仏教史大辞典』
『有職故実大辞典』
『日本民俗大辞典』(前掲)
などなど。いずれも「こくし」と同じく吉川弘文館から出ている。
『歴史学事典』弘文堂
テーマによる巻の構成がおもしろい。
項目にもとづき、地域・時代横断的記述がなされる。
冊数が多いけど項目をテキトーに読むだけでも楽しい。
まずは索引の巻で項目を引く。
『新版 日本架空伝承人名事典』平凡社、2012年
図書館データベースの利用:
図書館からのメールでの案内を参照のこと。
ジャパンナレッジはかなり便利である。:
日本最大の日本史の辞典。
歴史的な項目について基本的な内容を調べるのに有益。
ただし、ある時点までの研究内容にもとづくという制約はある。
他にも、いろいろ(自分で散策してみて下さい)。
論文検索:どの本・論文がいいのか、特定する
本を起点にする方法
①めぼしい概説書・入門書などを読む。
②①の本の注や参考文献を見て、重要そうな本・論文を探す。(それぞれ指示(参照)された文献が、どのような意味で指示(参照)されたのか(大切なことを言っているから、著者と異なる意見を言っているから、今まで影響力ある意見だけど、著者の視点からすると間違っているから、…)は、本の中に記されていることが多い。)
(2022/11/7追記)
入門書は、専門家が書いているものを選ぶ。
学術書を出した専門家が、一般向けに新書などの形で書き直したものは、わかりやすく、かつ専門的知識もきちんとしていて、おすすめ。
入門書を参考文献にして書かれた入門書は、労多くして功少なし。最初読みやすいと思うかもしれないが、けっきょく二度手間になる。
入門書の参考文献や注を頼りに次の読書へと向かう。(「このテーマについては、こういう文献があるよ」というように、具体的テーマについての文献案内がついているものは、勉強になる。)
事典・辞典を起点にする方法
(本・論文が特定できて)それがどこにあるのか、探す。
ウェブで検索する。
GoogleやYahoo!など、一般的な検索エンジン:×情報源の確証性が低い。/○広く拾ってくれる。→そこから掘り下げる(文章の出所=「出典」は何か確かめる→その本や論文を見つけ出して読む。)
図書館:
大学図書館の利用・活用
書架を実際に回って、めぼしい本を見つける。:周辺の本も簡単に見られるというメリットも。
公共図書館の利用・活用:大学図書館で誰かに借りられてしまっているときに、公共図書館はけっこう穴場。自分の市区町村の図書館の傾向(拠点たる大きな図書館がある/平等主義に立って、各図書館の規模はそこそこ。蔵書もムラがある、など)を知っておく。
図書館などの横断検索