妙祐寺
渋谷地域にあった一向宗寺院。
現在は世田谷区烏山。
西本願寺末。
『御府内寺社備考』の記事によれば、弘安九(一二八六)年、一遍によって天護山◯◯寺として開創されたと伝え、その後、学◯という僧侶が中興したが火事によって焼失した。
寛永二(一六二五)年に浄土宗僧侶である了頓がこの寺を宮益坂に学◯寺の名称で再興し、同寺は延宝五(一六七七)年には妙祐寺に改称されたという。延享三(一七四六)年に渋谷妙祐寺門前は町奉行支配となった。近代に入ってからは、地下鉄銀座線開通に際して昭和11(一九三六)年に墓地の一部を世田谷烏山に移転し、戦災による焼失を経て、昭和21年に同地に寺院を移転した(『せたがや社寺と史跡』)。