ゲンロンSF講座第5期第3回実作(講評対象)へのコメント
ゲンロン 大森望 SF創作講座 第5期
第2回 「小説つばる「新人SF作家特集号」の依頼」
田場 狩『統一宇宙マナー講師 シイ・スミカの受難』
よいと思います。
僕からはありません。
かわのさきこ『ホログラム書架でまた会いましょう』
独白だけでこれだけ書き切ることができるのは技術的にすごいです。
が、おそらくは、内容に比して分量が多いのではないでしょうか。
状況からしてこうした書き方が採用されるのは理解できますが、やはり、単調には思われます。
『海を見る人』と同様の方向性といえるので、比較検討などしてみるとよいのではないでしょうか。
オチノ ニト『まだ見ぬ明日の主のために』
まあ、あらすじと設定なので、語りの開発が必要ということになるのではないでしょうか。
ある意味、そちらの方が難しい場合もあるのですが。
この種のテーマを主観に近い視点で書いて可読性を確保するのは、高い技術が必要なものです。
ある程度楽ができるのは、たとえば人類学者的な無人称観察視点ではないでしょうか。
要素書き出し型のようなので、想定される要素を並べてみて、劇的効果を調整しつつ、分量に収まるように配置してみる、
というところからでないでしょうか。