ゲンロンSF講座第9期第1課題実作へのコメント
■廣瀬九命『オートマタ・オートクチュール』★★
いいと思います。よくできています。
■ジュマ『ユーレイ・オブ・カガリ』
設定と雰囲気、書き方に工夫があってよいと思います。
ただやはり、説明が入り組んでしまった感じがあって、
地の文の軽快さとの相性が悪くなっているように感じました。
■辻巴『あなたがここにいてほしい』
わりあい、同じことの繰り返しになってしまうので、この調子でこの分量は長いのかもしれません。
説明がどうしても羅列に見えるので、もう少し親切でもバチはあたらないかと思います。
■アキトハルカ『ネオ・ラーメン・オデッセイ』★
設定とても面白いと思いますが、あらすじが書いてあるという印象が拭い切れません。
基本的に環状に閉じる時系列展開一発なので、シーンの転換などを工夫するとよくなるような気がします。
(というか、長いのかも)
https://scrapbox.io/files/6568a4ecd526cd0023f2b6de.svg
■⼀希 零『Social Engine Optimization』
50年後にしては現在に寄りすぎという印象です。
会話の単調さもあり、全体のテンポが一本調子に見え、設定が書いてあるという感じです。
ダークグラウンドの設定次第かもしれません。
■森村暗巨『⻯星群の夜』
帰巣本能の提示に唐突感があるので、丁寧に蒔いておいた方が呑み込みやすいかと思います。
世界観に対して存在する組織が脆弱なところも気になります(とっくに滅びていそう)
出来事と推測が書いてある、という感じもします。
■眞⼭⼤知『遠⽥市ミステリーショッピングセンターニャコス』
設定面白いとおもいますが、雰囲気にたいしてセキュリティが雑という感想が先に立ちます。
もう少しコメディ寄りにしたほうがのりやすいのかもしれません。
■蓮⾒ 昴『⾁とまつり』
会話でおすところが長く、地の文とのバランスが欲しいところです。
■岡⽥悠『帰巣する寺』★★
いいと思います。ややクラシカルな雰囲気ですが、よくできています。
■天城私信『透明な祈り』★
よいと思います。ただ、サイエンスの立ち位置をどうするかという、
なかなか難しいところにさしかかっています。
(ただのオカルト、という人がいるはず)
そのあたり、どこかをちょっと変えるだけで回避できそうではあります。
■海野ケイト『フロリダ製、セニョール・コバヤシの空気⽸詰』★★★
すごいと思います。よろしいのではないでしょうか。
■⼩林その⼀『ヘイトメモリープロジェクト』
ごきげんに筒井康隆調なプロジェクト・ヘイト・メモリーとしてよくできていると思います。
御自身らしさをどちらへもっていくかということになるかと思います。
■現良 直『What Mari Didnʼt Know』
色彩ものは実は非常に数が多く、色々難しいものです。
テーマがややぼやけてしまった印象があります。起伏の付け方に工夫が欲しいところです。。
■⾕江 リク『棋聖、カミオカンデで5⼆銀に』★★
よいと思います。よくできています。
■さとうとしお『ハッピー・チョイス』
まとまってはいますが、星新一調ではあるので、どう新しさを出していくかかも知れません。
■茶呑童⼦『メメント・フェリキタス』
まずは完成させるところから。
■宇城 悠⼈『クロノサーモン』★
謎の力があるのですが、とっちらかっているようにも見えます。
でも不思議にまとまっているようでもあります。
■⼭本 智⼠『光ノ痕』
できごとが書いてあるので、緩急が欲しいところです。
■⼭下 五郎『夏休み』
全体の形をとるところからかも知れません。
■道端拓也『⻯の謝⾁祭』
まずは完成させるところから