ゲンロンSF創作講座第8期実作へのコメント
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■バンク・ガールズ、スプリント!★★★
青春小説として非常にうまいので特にないです。
主観人物の切りかえがやや気になりますが、書き方の選択ということだと思います。
ディテールの提示、状況説明の入れ方、食べ物の出し方、キャラクターの個性、場面転換などうまくできているのではないでしょうか。
やや、掛け合いが紋切り型か? というところがひっかからなくはないです。
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■機械みたいな人権審査官と人間っぽい補佐官AI★
うまいのですが、やや文章が堅めなのと、基本的設定が長編として耐えられるかどうかでしょうか。
「生存上必須の身体体積の五〇パーセント以上がホモ・サピエンス由来であるかどうか」が判定基準とされている世界、はなかなかきびしい設定であり、さらにそれと人権がからむお話なので、様々考えておくべきことがありそうです。
第一章としての転換としては、最初の挿話、過去の回想、次の挿話への入り口、の方が落ち着きはよくなるかもしれません。
あと、タイトルですか。
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■エクイソイド★
〜した。〜した。が連打されるので、気になる人は気になるでしょう。
全体の配分が漂うように、揺蕩うように進むで、気になる人には気になるでしょう。
情報の出し方が一本調子なところがあり、具材がゴロゴロと大きい感じはします。
方向性があまり見えないので、継ぎたし継ぎたしという感じはどうしても受けます。
義体を装着した馬と非装備の馬を同じレースに出せるかどうかは、かなり設定の難しいところではないかと思います。
あと、タイトルですか。
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■ワールズ・エンズ・バーチャルフレンド★★
文章が非常に粗削りなのですが、よいと思います。
これだと長編にはならないのでは? と思ったのですが、連作短編の形であれば大丈夫そうです。
ちょっと漫画原作みたいではあるかもしれません。
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■サキカノの絶縁状
あらすじが書いてある、という感じなので、場面の整理からでしょうか。
なんとなく楽しい雰囲気は感じられるので、理屈はふっとばしていくスタイルでもよいかと思います。
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■千の昨日と万の明日
説明、描写、セリフがはっきりとわかれていて、それぞれのブロックが大きいような気がします。
セリフがただ並んでいる感が強いので、流れに工夫が欲しいところです。
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■さよならエリス、それと犬
一人称でその世界の常識を説明するのは難しいので、工夫が必要なのではないでしょうか。
場面の説明が段取り的で、描写とセリフで繰り返されたりするので、全体に整理を。
会話文が現実の会話と近いのですが、小説の会話としては間の持たなさがあるかと思います。時間が時間通りに流れていくので、緩急が欲しいところでもあります。
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■月の輪に詠う鬼
内容に対して登場人物が多くテンポが速すぎる感じはしました。
登場人物を読者にとってどれくらい前提とできるかの案配が難しいとことです。
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■薄明を編む魔女たちへ ~バリキャリ ギャル オタの天地創造~
登場人物の活動と、世界情勢のスケールが離れすぎているので、どうしても接続が悪くなっている感じがあります。
リズムが各所で崩れている感じもあります。
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■時をかける僧侶★
よくわからないけれど文章は面白いと思います。
ただ、シーンの切り方や人物の解説等が、脚本型の様式に引っ張られている気はします。何が情報で何がメタ情報なのか、といったような話として。
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■チューリングの子供たちのリフ
それはチューリング・テストなのでは、とか。
設定の提示の仕方が一本調子なのがもったいないと思います。
バンドとの接続がぎくしゃくしているので、なにかの工夫が必要そうです。
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■アラタ 第0章
なんとなくよい感じはします。
ただ、後ろの方で力尽きていく感があるのと、
0章としては引きつける力が弱めかもしれません。
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■萌えない美少女を燃やして売る方法 ~AIを活用した宣伝の理論と実際~★
やや長編に向かない文体かと思うので、淡々と進めつつ、この文体である理由がつくと、オチまでいくような気がします。
掛け合いや、レビューがやや長いか?
という気はしまして、刈り込めるのでは、とは思います。(Web向けだとこれでよい気もします)
読み進める駆動力があって、展開などもよいと思います。
メリハリがもう少し欲しいところではあります。
あと、なんだかよくわからなくはある。
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■Anti Q
よくできているのですが、文章が ブラウザ特化型です。
転換はあるのですが、時間経過とともにヌルヌルと続いていくので、書籍を考える場合は、切れ目やアクセントが欲しいところです。
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■フロアが呼んでいる_第一章
本文の修辞がやや重めなわりに会話が軽いので、アンバランスに見えるかもしれません。
第一章といいつつ、ここで終わっているようにも見えました。
出来事の割に調子が平坦なので、ブツ切れ感と唐突感が目に付きやすくなっているのではないでしょうか。
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■あらゆる透明な幽霊の複合体
小話としては。
形としてはよいと思います。
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■MONSTER
重層的な形式はよいと思います。
ただ、記憶喪失型脱出ゲームのような、ひとつひとつの出来事の唐突さが気になるところです。そのあたりのつながりをうまく作りつつ、全体をまとめていく工夫が必要そうです。
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以上です。