カントール集合とカントール関数
定義
・Cantor集合 :
区間$ I=[0,1] に対して、各区間を$ 3 等分して、中央の開区間を取り除く事を繰り返して出来る集合$ E の事。
---> $ n 回目の手続きでは、$ 2^{n-1}個の区間から$ \frac{1}{3^n}の長さの区間が除去。
$ G = \bigcup\{取り除かれた集合\}とすると、$ \mu(G)=\sum_{n=1}^\infty \frac{2^{n-1}}{3^n} = 1より、
$ \mu(E) = \mu(I-G) = \mu(I) - \mu(G) = 0となる。
ゆえにCantor集合$ Eは零集合。
https://gyazo.com/1e1d052fb6d8b1cde53ff7b24875d1ed
↑ wikipediaより。Cantor集合
・Cantor関数 : Cantor集合$ E上のみで増加する単調増加連続関数
上の手続きで$ n 回目の操作で取り除かれる区間は3進数で$ (0.\alpha_1..\alpha_{n-1}1,\ 0.\alpha_1..\alpha_{n-1}2)と表される。
ゆえに、$ 0.\alpha_1..\alpha_{n-1}1を循環小数$ 0.\alpha_1..\alpha_{n-1}022..で表すと、
$ Eに属する点は全て数字$ 1を持たない循環小数で一意に表せる。(逆も成立。)
$ x=0.\alpha_1\alpha_2...(3進数)に対して、$ \alpha_n=0なら$ \beta_n=0、$ \alpha_n=2なら$ \beta_n=1なる$ \beta_nを用いて、
$ \phi(x) := 0.\beta_1\beta_2...(2進数)を定義すると、
$ \phi(0.\alpha_1..\alpha_{n-1}1) = \phi(0.\alpha_1..\alpha_{n-1}022...)=0.\beta_1..\beta_{n-1}011... = 0.\beta_1..\beta_{n-1}1
$ \phi(0.\alpha_1..\alpha_{n-1}2) = 0.\beta_1..\beta_{n-1}1
となるので、取り除かれる開区間における$ \phiの値は区間の両端の値と等しいとすると、
$ \phi(x)は$ E上の点のみで増加する単調連続関数となる。
※ 直感的には、1回目で除く区間の値を$ 1/2、2回目を$ 1/4,\ 3/4、3回目を$ 1/8,\ 3/8,\ 5/8,\ 7/8として、
$ Eに属する区間は単調に取り除かれる区間の両端をつないだ値とすると分かりやすい。
https://gyazo.com/386c27b6e845bf30f388b357a2b94670
↑カントール関数。wikipediaより。