『ベスト・オブ・YYYY』シリーズのコメンタリー
https://scrapbox.io/api/pages/eidantoei/misc/icon#.png
『ベスト・オブ・2020』など、毎年発行しているコンビニプリント小冊子シリーズについて、いきさつ・リファレンスなどをまとめた制作メモみたいなページです。
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ちかくkssk.icon が個人的に制作・発表している、その年のできことを小さく振り返る冊子シリーズ。コンビニのプリントサービス(ネットプリントやネットワークプリント)を通じて配布してきた。印刷した人が自ら製本する仕組みになっており、B4版の紙に印刷された紙を、折って裁断するとB7版冊子ができあがる。 最初のきっかけ
「アドベントカレンダー」というのは、Web系のITエンジニアの界隈から始まったネット上の風習のひとつ(……と、私は認識しているけれどちがうかもしれない)。
いくつか特徴をかいつまむとこんな感じだ。
12月1日〜12月25日までの間に開催される
この期間中、毎日誰かがテーマに沿った技術系のブログ記事を公開していく
アドベントカレンダーごとに、技術領域などのテーマが設定されていている。
基本的には、25人が参加することになる
記事は、各自が既に持っているブログに載せ、リンクだけをアドベントカレンダーのページに載せる、というものが多い
メンバーは公募するケースが多い
アドベントカレンダーの参加者を募る専用のサービスがあったりもする
アドベントカレンダーのテーマとしてよくあるのは、プログラミング言語のことだったり、もっと狭い技術領域やトピックだったり、粒度は様々。例えば「Python Advent Calendar」「Node.js Advent Calendar」みたいなものもあるし「Scrapbox Advent Calendar」みたいなものもある。
私が参加した「2020 Advent Calendar 2020」のテーマは「2020年」。つまり、技術的な記事でなくてもよいし、なんでもアリ、ともいえる。多くのアドベントカレンダーとはだいぶ毛色の違う存在ではある。
アドベントカレンダーのためにブログ記事を書いたことはないし、そもそも技術系のブログ記事すら書いたことがなかったけれど、「2020 Advent Calendar 2020」はかなり敷居が低そうだし、よくわからないけれど楽しそう。
ルールは簡単! そこに url があるならば、それを貼るだけ。
なんて文言もあるくらいなので、Scrapboxに何か書いて、ページのURLを投稿しよう、などと考えていた。
何をどう書くか考えるうち、今年(2020年)はまだ紙媒体の冊子をなにも作っていないことに気付いた。ここしばらく、毎年なにかしら印刷物をつくって頒布してきた。そこで、「今年の分、ここでやっちゃおう」と思ったのであった……。
発行周期
今のところ「毎年年末に出す」という周期になっているが、当初からそうするつもりがあったわけではない。
上記〈最初のきっかけ〉に2020年当時のことを書いたが、制作当時は来年以降のことなんて全く考えていなかった。
ただ、公開してみると意外といろんな人に刷ってもらえたり、意外と反響の数が多かったり、とうれしいことが重なり、これまたやりたいな〜と思っていた。
2021年に入り、機を見てまたネットプリント冊子を出そうと漠然と考えていたのだが、機を逸しつづけているうちに年末。昨年同様に「2021 Advent Calendar 2021」に参加し、同一フォーマットで「ベスト・オブ・2021」を公開することにした。 これまで印刷物をいくつかつくってきたが、シリーズものを作った経験があまりなかった。いつかやってみたい、というその気持ちをまたアドベントカレンダーにぶつけた。こうして「年末恒例」の周期がうまれた。
2022年末もその周期に乗っかることにはしていたのだが、のんきに準備をしていたら年を越してしまった。その後もあれよあれよと1月が終わり、2023年2月中旬にようやく「ベスト・オブ・2022」を公開した。 脚注
脚注というものがなんだか好きで、積極的に脚注を書いています。 紙幅が足らなくてはみ出しているだけ、とも言えるのですが……。
脚注がいいな〜と影響をうけた本を書いておきます。
PRINTGEEK『トーキング アバウト グラフィックデザイン ウィズ エディターズ』
グラフィックデザインに深く関わってきた書籍編集者へのインタビュー集
会話の流れを遮らないようにしつつ、脚注が詳細な情報をどんどん提供してくるのが楽しかった
(…)
※他にもあった気がするけれど思い出せない……!思い出したら書きます
1枚の紙から16ページ冊子
https://gyazo.com/16bc026527cac22677968662788ba569 https://gyazo.com/5e58e3f572e7c21f4aee861e7878056e
いわゆる「面付け」を行っているだけ、ではある(面付けとは印刷・製本のワークフローの中の作業のひとつ)。 でも、折りと裁断をやらないままの状態で配布して、読者自らに組み立ててもらう、ということは珍しいかもしれない。自分のなかには前例がいくつかあって、それらの体験がとても楽しかったので自分もまねをしました。
サークル「おれんじぱい」が頒布していた同人誌(2018年)
紙を折ってクリップで綴じた状態で頒布されていて、裁断は入手したひとがやる感じだった(たぶん…)
ゆるめの裁断線が印刷されており、指示内容などもかわいくプリントされていた
(リンクなし)
展示『組版造形』の展覧会ポスター
白井敬尚さんの展覧会
B1判の告知ポスターが、折って裁断するとB4判・16ページの冊子にもなるという仕様でかっこよかった
似たやり方として「折り本」という手法がある。ネットプリントだったり、同人ペーパーの世界でよく見かけるもので、片面印刷で済むし、切れ込みを1箇所いれて折るだけで組み立てられるので手軽だ。 仕上がりを比較すると、8ページの折り本より、16ページ冊子の方が普通の中綴じ冊子っぽくなる。16ページ冊子を採用している理由はそれだけではないけれど、こっちの方がモノとしても愛着が湧いていいな〜とおもって気に入っています。
いつもの作業工程
(大雑把)
1. InDesignでふつうにドキュメントを作成
[16ページ][B7判(128mm×91mm)][左開き]で新規作成
ふつうに16ページの冊子としてレイアウト作業
できあがったドキュメントをPDF形式で普通に書き出し
2. 面付け
/emoji/warning.icon この工程、自動でやる方法がある気がする。でも今のところ見つけられていないし、そんなにちゃんとは探していない。
まず印刷用のドキュメントを[2ページ][B4判][見開き]で新規作成
プリントしないレイヤーを作って、目印としてページ番号を書いておく
↓こんな
https://gyazo.com/b1e13fde913370fa28ff41c4a8a37a79
[ファイル]→[配置…]を実行し、「1.」で作ったPDFファイルを読み込ませる
このとき、ファイルブラウザのウィンドウ下部にある[読み込みオプションを表示]をOnにして開く
[PDFを配置]のウィンドウ内で、以下のようにパラメータを変更してOK押す
https://gyazo.com/14ab875889b56f23745d758cc320b8e6
[ページ]…… 「すべて」を選択
[トリミング]…… 「仕上がり」を選択
[背景を透明に] …… Yes(チェック入れる)
1ページ目から配置できるようになるので、適当な位置でクリックして配置
このとき、ドラッグではなくクリックをすることで、原寸100%で配置できる
配置すると次は2ページ、その次は3ページ目と……次々に配置できる
https://gyazo.com/1c458ff89d4164de0fd03b379875445e
細かい位置や向きを調整して割り付ける
PDF形式で書き出して、ネットプリントにアップロード